ビットコインが10万ドル割れ、米金融当局の利下げ巡る慎重姿勢示唆で
(ブルームバーグ): 暗号資産(仮想通貨)ビットコインが10万ドルを下回った。米金融当局者が利下げペースを巡り、より慎重な姿勢を示したことを受け、投機的な動きが広範囲にわたって後退した。
ビットコインはシンガポール時間19日午前10時(日本時間午前11時)時点で約1%安の9万9800ドル。前日には5.1%安と9月以降で最大の下げ幅を記録していた。イーサリアム、XRP、ドージコインも下落した。
仮想通貨ファンド、スプリット・キャピタルの創業者ザヒア・エブティカー氏は「グローバル市場は米金融当局が2025年にハト派姿勢を弱めることを織り込んでいる。その結果、仮想通貨のイベントトレーダーやマーケットメーカーがリスクを回避している」と述べた。
米連邦公開市場委員会(FOMC)は12月17-18両日に開催した定例会合で、3会合連続の利下げを決定。一方で25年に見込む利下げ回数は従来予想から減少し、引き下げペースを巡り当局者らが慎重姿勢を強めていることが示唆された。
IGオーストラリアの市場アナリスト、トニー・シカモア氏はリポートで、「米国のインフレと経済活動に関する最近の一連の強めのデータ」を見ている投資家にとってFOMC会合の結果は驚くべきものではなかったと指摘。「しかし、米選挙後に株式やビットコインなどのリスク資産に流入した一部の過剰な投機的動きを洗い流すきっかけになった」と述べた。
FOMC会合の結果を受け、ブルームバーグ・ドルスポット指数が上昇した一方、世界の株式と債券は下落。米政府の短期的な予算を手当てするつなぎ予算案を巡る対立を受け、米政府機関が閉鎖されるリスクが高まり、米株価指数先物は神経質な値動きとなっている。
ビットコインは米大統領選の投票日だった11月5日以降、50%上昇し、今週には過去最高値の10万8316ドルを付けた。仮想通貨を規制という束縛から解放するとのトランプ次期米大統領が掲げた方針が追い風となった。トランプ氏はまた、ビットコインの国家戦略備蓄を構築するという考えにも支持を表明している。