ノエル・クイン氏

（ブルームバーグ）： 英銀ＨＳＢＣホールディングスは30億ドル（約4600億円）の追加自社株買い戻し計画を発表した。ノエル・クイン最高経営責任者（ＣＥＯ）にとって最後の四半期の利益は予想を上回った。

31日の決算発表によると、４－６月（第２四半期）の税引き前利益は89億ドルに増加し、同行がまとめた予想、77億8000万ドルを上回った。グローバルバンキングおよびマーケッツ事業が寄与した。

クイン氏は「2023年に過去最高益を達成した後、24年上期も好調なパフォーマンスを維持した。これは当行の戦略が機能していることのさらなる証拠だ」と述べた。同氏は９月２日にジョルジュ・エレデリー現最高財務責任者（ＣＦＯ）にＣＥＯ職を引き継ぐ。

グローバル・ファイナンシャル・コントローラーのジョナサン・ビンガムを氏を９月２日付で、暫定ＣＦＯに指名した。恒久的なＣＦＯ候補を探しているという。

アジアで収益の大半を稼ぐＨＳＢＣは、24年の銀行業務の純金利収入を約430億ドルと予想した。世界の金利環境に左右されるとしている。

ウェルスおよびパーソナルバンキングなど主要部門の第２四半期利益は32億8000万ドルと若干減少したが、不良債権引当金繰入額の減少が利益を押し上げた。

昨年は世界的な引き締めサイクルでの金利急上昇を追い風に過去最高益を記録したが、金利上昇は間もなく巻き戻しに向かうとみられている。

ブルームバーグ・ニュースが今月初めに報じたところによると、ＨＳＢＣは経費削減努力も進めており、雇用抑制や出張費、接待費節減の動きがある。

ＨＳＢＣが採用抑制、バンカーの出張も制限－コスト削減に取り組む

こうした変化を統合し、さらなる成長への道筋をつけると同時に、米国と中国の緊張関係や同行の最大市場である香港の脆弱（ぜいじゃく）な政治・経済環境を乗り切ることが、ＣＥＯとしてのエレデリー氏の仕事になる。

原題：HSBC’s Quinn Signs Off as CEO With $3 Billion Share Buyback (1)（抜粋）

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