キーガン・パルマーが2連覇を達成し、新たな歴史を刻む立役者となった「パリ2024オリンピック」スケートボード・男子パーク種目
大会レポート
【ラン1本目】 女子と同様にオリンピックのフォーマットでは決勝は45秒のラン3本目のうち1本のベストスコアが採用される。しかし一度トリックを失敗した時点でランを続行できなくなるため、後半でよりスコアアップを図りたい選手たちはまず1本目をフルメイクしてスコアを残しておきたいと思うのが一般的だが今回のオリンピックの舞台は違った。最初から攻めのライディングを見せてミスをする選手が続く中、一発目から90点台の高得点を残したのはアメリカのトム・シャーとオーストラリアのキーガン・パルマーだ。 バーチカルを主戦場とすることからスピードの速さとエアーの高さが特徴的なシャーはグラインドトリックや回転系のトリックなど様々なトリックを盛り込んだランを見せる。コーピングを利用した長い「バックサイドリップスライド」でスピードをつけると、高さのある「キックフリップインディグラブ」や「テールグラブバックサイド540」、終盤には難しい角度からの「アーリーウープフロントサイドエアー」を決めフルメイクすると90.11ptをマークし後続の選手たちにプレッシャーを与えた。 しかしそんなシャーのライディングに影響を受けて同じく90点台を残したのはパルマー。予選でもまるで決勝のような攻めのランを見せて1位通過を果たした彼は、決勝でも1本目から圧倒的な強さを見せる。エクステンションからクオーターへの「アーリーウープインディグラブ」をメイクすると、「メロングラブ540」やスパインをトランスファーして「キックフリップインディグラブ」。また他の選手があまりトライしないリーンエアーを取り入れた「キックフリップリーンエアー」や「バックサイド540」、そして最後はディープエンドでの「キックフリップインディグラブ to フェイキー」など高難度トリックのバリエーションが印象的なランで1本目にも関わらず93.11ptをマークして幸先良いスタートを切った。
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