<リオ五輪>女子バレー、完敗の木村沙織が涙 「目標達成できず悔しい」
世界ランキング1位、北京、ロンドンと連続銀メダルの米国を相手に善戦はした。しかし、ひとつのセットも取れなかったという結果を突きつけられた。五輪の舞台で内容の評価はない。 試合後、この試合で9得点をマークした石井優希(25)は、「チームとして一番いいゲームができたかなと思いますが、予選ラウンドでも、もっといい試合ができたという反省があります」と語ったが、日本は4年間で積み重ねてきたバレーをまるで出せなかった。 真鍋監督は、「今日は勝ちたかったんですが、世界1位のアメリカの壁は厚かったですね。まず初戦に韓国に負けたことでクォーターファイナルでアメリカとやらなくてはならなくなった。韓国戦が痛かった。(日本の平均)身長が世界で一番低く、(他の国と)同じことをしていても勝てないと、いろんなことに挑戦してきた。選手が挑戦して頑張ってくれた。(連続メダルの)プレッシャーがかかる中、よくやってくれた」と、サバサバと大会を振り返った。初戦の韓国戦敗戦が最後まで尾を引くことになったのは間違いない。 不振の原因のひとつは、4大会連続出場となったキャプテン、木村沙織(29)の不調だろう。 この試合も、出鼻を叩いておかねばならない第一セットで1得点もできなかった。第3セットの終盤に20-20の同点においついた7連続得点は、木村が引っ張った。あの活躍が、韓国戦も含めて、随所で見られていれば、まだ面白かったのかもしれない。この日も石井をサーブターゲットにされていたが、そのカバーに走らねばならない守備の負担。欲しい場面でトスが上がらないという息の悪さ、そして、故障を抱えてリオに乗り込んだ体調不安と、キャプテンの心理的重圧。試合後の木村は、何か重たいものから解放されたかのように、涙ぐみ、時折、言葉に詰まった。 「目標にしていたところ(メダル)は達成できなかったですけど、本当にいろんな方の支えがあってリオまで来させてもらっているので、たくさんの人に感謝の気持ちを伝えたいです。チームワークだったり、思いやり、仲間どうしの絆を、4年間、キャプテンやらせてもらってから、ずっと大事にしてきたところだったので、スタッフ、選手、日本で、応援しているスタッフも、たくさんいますので、みんなに感謝の気持ちでいっぱいです。目標を達成できなかったことは悔しいですが、いつもラインをくれたりする仲間の思いも込めて全員で戦えたので、報告というか、良かったなあとは思います」 スパイカーを一人外して、12人の代表メンバーに、レシーバーの座安琴希(26)を入れたが、その人選、戦略も結果論としては失敗した。ディフェンスの粘りから、ゲームをマネジメントしていこうという狙いがはまった試合はなかった。