「クリスマスケーキを強制的に買わされる」と嘆くドライバーも...《赤字転落したヤマト運輸》の新サービス「こねこ便420」にも現場から「批判殺到」
新サービス「こねこ便420」にも批判の声
こうして本社の”肝入り”だった「分業制」まで失敗に終わったヤマト運輸は、今年9月に新サービス「こねこ便420」をスタート。 専用資材(横24.8cm×縦34cm×高さ3cm)を購入することで、小さな荷物を全国に発送できるサービスだが、これに関しても現場ドライバーからは「やる意味あるのか?」と疑問の声が相次いでいる。都内の営業所に勤めるセールスドライバーの男性はこう語る。 「明らかに日本郵政さんの『レターパックライト』とサービス内容が酷似しているんです。しかもウチの新サービスの場合、コンビニで専用資材を買えるわけではなくて、セールスドライバーか営業所でしか売っていない。 荷物を送るときも郵便ポストに投函できず、ドライバーに連絡して自宅まで来てもらうか、わざわざ営業所に持ち込みにいくしかないんです。だから同僚たちも『これ誰が買うんだよ。レタパのほうが便利じゃん』と話してますよ」 たしかに両社のサービスを比較しても、専用資材の大きさは瓜二つだ。「こねこ便420」のほうが、「レターパックライト」よりも10円安く購入できるのは魅力だが、前出の男性とは別の営業所に勤めるセールスドライバーの男性は「利用者の意見は、コスト面だけではない」と語る。 「新サービスが始まった当初は、所長も口酸っぱく『お客さんに営業してこい』と言うもんだから、昔から付き合いのある工務店とかに営業に行ったりしていました。でも、実際にお客さんと話していると、こねこ便を一通送るためにドライバーを呼ぶくらいなら、24時間いつでもポストに投函できるレターパックのほうが便利に感じている人が圧倒的に多かったんです。 こうしたユーザーの気持ちを会社はぜんぜん理解していなくて、同僚の間でも『これって企画倒れじゃないの?』と話のネタにされています」
「子会社が作るクリスマスケーキを無理やり買わされる」
その一方で、トラック運転手不足が懸念される「2024年問題」の対策としてか、ヤマト運輸では今年4月以降、残業時間が厳しく取り締まられるようになったという。 都内の営業所に勤めるセールスドライバーの男性は「たしかに『7-9』と呼ばれる最終の配達時間に関しては、一周してみて不在だったらすぐに切り上げるようになり、早く帰れるようになった」とおおむね満足気だ。だが、別の営業所のドライバーは「そのぶん時間内に仕事を終わらせなければならず、休憩中も荷物の配達をしている」とため息をつく。 そんなヤマト運輸のドライバーを悩ませるのは、なにも配達のトラブルだけではない。神奈川県の営業所に勤める男性はこう証言する。 「毎年クリスマスが近づくと、ウチの営業所では『一人一個はケーキ買ってね』とお達しがくるんです。どういうことかというと、ヤマトの子会社には『スワンベーカリー』というパン屋さんがあるんですけど、そこは先代の社長・小倉昌男さんが福祉施設として立ち上げた背景がありまして…。 だからなのか、一部の営業所ではスワンベーカリーが販売するクリスマスケーキを、社員たちは半ば無理やり買わされるそうです」 毎年10月後半になると、営業所には「Xmasケーキ ご予約受付中」と書かれたカタログを掲示。ケーキを予約した人のリストも出回り、過去には朝礼で「もうケーキ買った?」と副所長に問い詰められることもあったという。 「そりゃ、確かに福祉支援のためになるならという気持ちもあるのですが、こっちは自腹を切るわけだし、無理やり買わされるのはどうなのかなって思いはありますよね。やっぱり個人のケーキ屋さんに比べると味も劣りますし、家族もあんまり喜ばないですよ。同僚たちも『今年もまたこれ買わないといけないのか…』って愚痴ってましたから」 こうした事態についてヤマトの広報部に質問状を送ったところ、以下のような回答があった。 「ヤマトグループは経営理念に掲げている『豊かな社会の実現に貢献』するため、障がいの有無にかかわらず誰もが活躍できる職場づくりに取り組んでおり、ヤマトホールディングスの特例子会社である株式会社スワンを通じて、障がいのある人の経済的自立と社会参加を支援しており、『社員が「スワンべーカリー」のクリスマスケーキを買わなければいけない』という事実はございませんが、いずれのご質問も個別の事案のため、回答を差し控えさせていただきます」 ヤマトの災難は、まだまだ続きそうだ。 ※「現代ビジネス」「週刊現代」では、みなさまからの情報提供・タレコミをお待ちしています。下記の情報提供フォームまで情報をお寄せ下さい。 情報提供フォーム:https://tips.weeklygendai.com/
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