【中村蒼さんインタビュー】映画『アイミタガイ』ちょっと頼りないけれど、そばに居てほしい絶妙なキャラを好演!
若き名優・黒木華さんとの共演は……
澄人が大切に想う梓を演じた黒木華さん、上手いのはもちろんですが、やっぱり何だかジワジワいいですよね。初共演ですか。 初です。どのシーンも、黒木さんのスゴさを感じていました。本当に素敵で尊敬する役者さんなので、ご一緒できて光栄でした。黒木さんと多くの言葉を交わさずとも梓と澄人の関係を自然と作れたのは、やっぱり黒木さんのお芝居の表現の豊かさだと常に感じていました。 黒木さんは、多くを表現して伝えようとするのではなく、あまり多くを表現しないことで伝えようとされる方。だからこそ、シーンが豊かになっていくのを感じました。一緒にお芝居しながら、それってスゴイな、素敵だな、と。どうしても色んなことをやりがちになるのですが、削っていくことで表現され、結果、多くのものが伝わってくる感じが、本当に凄いです。 2人の印象深いシーンを挙げるなら? 一緒に梓のお祖母ちゃんの家に行って、帰ってきた後のホームでのシーンは、澄人にとって一世一代の場面でもありました。そういうところでも、梓のリアクションや2人のテンポ感というか、一緒にシーンを作っている実感が沸きました。つまり、黒木さんが僕から色んなものを引き出して下さったのかな、と思います。 それでいて、また梓が可愛いんですよね。澄人として、「可愛い!」と感じたシーンはどこでしょう? 公園で梓が澄人に体を傾けながら預けるシーンが、とても好きです。ワンカット毎に作り込んで撮るのではなく、流れで撮影していったのですが、あの梓の表情を見て欲しいです。色んなものが吹っ切れて前を向く、そんな表情がとてもステキです。幸せになれると予感させるような、それがとても良かったです。
女同士の友情・男同士の友情について
いきなりですが、本作における女性同士の友情を、どんな風に感じましたか? LEE読者は、梓と叶海の関係や友情がかなり響くと思うのですが。 女性同士の方が、ちゃんと気持ちを言葉にして伝えようとするんだな、って改めて感じました。男性同士だと、照れくさかったり気恥ずかしくて、滅多に気持ちを伝えられなかったりすることの方が多いと思うんです。でも女性同士って、ストレートに伝え合ったりして、すごくいい関係だな、羨ましいな、と思いました。 僕の周りにもいる仲のよい女性同士が、楽しく笑いあっている姿は、賑やかでいいな、といつも思っています。特に男性同士は年齢を重ねれば重ねるほど、あまり会わなくなっていくんです。僕はあまり友達がいませんが(笑)、たまに会っても自分のことを話さないですし、まして何かを相談することもないですね。自分のことは自分でどうにかするしかない、と思っているからでもありますが……。