「誰とも群れず、本田さん長友さんたち個性の強いチームまとめた」内田篤人氏が見た「代表主将・長谷部誠」
サッカー元日本代表主将で、W杯3大会に出場した長谷部誠(40)=フランクフルト=が24日、東京都内のホテルで引退記者会見に臨み22年の現役に別れを告げた。今後はフランクフルトのU―21(21歳以下)チームを中心に指導者の道を歩む。将来の目標に「一番上のところ」と監督を掲げた。日本代表では2010年と18年のW杯で16強入りするなど114試合出場2得点。歴代最多81試合で主将を務めた。 【写真】雑誌の撮影ショットに絶賛の嵐 * * * * * 長谷部と2010年南アフリカ、14年ブラジルW杯を共に戦った内田篤人氏(36)が24日、都内で取材に応じ、「主将・長谷部」を語った。 引退会見の映像を見て「話しながら笑っていたし、(会場で)笑いも起きていた。長谷部さんもまとっていたものをやっと下ろせたんだと思う」と変化を口にし、記憶をたどった。 特に印象に残っているのは、ザック・ジャパン時代のこと。ザッケローニ監督は練習後のピッチで長谷部に意見を求めることが多かった。 「監督が誰かと特別にグラウンドで話すって、(周りの)選手にしてみたら嫉妬みたいな思いが出てくるもの。ポジションを争う選手なら余計に。でも、ザックは全然気にしなかった。長谷部さんが、自分の利益になることを言わないというのが、(皆が)分かっていたから」。 公私で付き合いが続くが、怒られた記憶も注意を受けた覚えもない。 「一度、『チームの空気が緩い』と言ったことがあった。でも『自分が(その空気を排除)できなかった』と話していた。誰とも群れず、本田(圭佑)さんや長友(佑都)さんたち、個性の強いチームをまとめた。選手としても今日はダメだったなという試合がない、本当に波がない選手だった。長谷部さんが言うなら仕方ないよね、と思わせる主将だった」。誰よりも整える力がある人だったと熱く語った。(内田 知宏)
報知新聞社