“謎の外国人アカウント”で荒れるリプ欄。イーロン・マスク買収後、変わり果てたTwitterは「終焉」へと向かってしまうのか?
イーロン・マスクによる買収後、この1年でさまざまな変化が起こったX(旧Twitter)。中には、従来の使い勝手を損なうアップデートも数多く見受けられる。特に「広告収益分配プログラム」によって、バズった投稿のリプライ欄は“謎のコメント”で埋めつくされており、その対策に苦心している人も多いはずだ。長きにわたってSNSの王座に君臨していたTwitterは、このままユーザー離れが加速してしまうのか。 【画像】謎のリプライで埋めつくされるリプライ欄
イーロン・マスク買収後のTwitter
イーロン・マスク氏がTwitter(現X)を買収してから、1年が過ぎた。 買収後のTwitterは、たった1年でさまざまな変化が起きた。幹部も含めた従業員の半数の解雇から始まり、APIの有料化(高額化)による多数のbotや外部サービスの排除、従来の認証バッジの廃止と有料の認証バッジの導入、コミュニティノートの導入、ブランド名の「X」への変更、クリエイター広告収益分配プログラムの開始、少額での有料化テスト、サークル機能の廃止、ニュース記事の見出し表示の廃止、有料プランを3段階に変更など、ざっと列挙してもその変革はおびただしいこと、このうえない。 マスク氏は買収時から変わらずbot対策に熱心な様子を見せており、Xの成長を叫んでいるが、ユーザーの利便性は買収前よりもかなり落ちてしまっている印象だ。
「広告収益分配プログラム」で機能しなくなったリプ欄
一番大きな問題、というよりもユーザーがよく目にするのは、バズっているツイートのリプ欄にあふれかえる“謎のコメント”だろう。 バズらなくてもフォロワー数が多い場合など、一定数のインプレッション(表示回数)が見込めるポストほぼすべてに、この謎のコメントが溢れかえっている。 これは、「広告収益分配プログラム」が導入されたことが原因だ。 広告収益分配プログラムは、一定数以上のインプレッションがないと申し込むことができず、申し込み後はインプレッション数などに応じて収益が振り込まれる仕組みとなっている。 そのため、バズっているツイートに返信(リプライ)するとインプレッション数を稼げることに気づいた広告収益分配目当てのユーザーが、(おそらくは)botを使って手動、自動問わずたくさんの返信をつけるようになったのだ。 これが謎のコメントであふれかえるリプ欄の正体である。 また、何回コメントしても有料プランの表示のブースト効果によってほかのユーザーよりも上位に表示されるため、意味のないコメントをいくつもリプライするユーザーまで現れている。 さらにはこれ以外にも、リプライからフィッシングサイトや広告収益目的のサイトに誘導するために、他人のコメントをコピペして誘導リンクをリプライしてくるbotまで登場するなど、まさに混沌とした状況に陥っている。