材木座に現れた、肩の力の抜けた海街の気軽さと都会のクールさが混在するカフェ&レストラン
鎌倉だから、おいしい。
2020年4月3日発売 1,650円(税込) 四六判/192ページ ISBN:978-4-08-788037-3 この本を手にとってくださって、ありがとう。 でも、もし、あなたが鎌倉の飲食店のガイドブックを探しているのなら、 ごめんなさい。これは、そういう本ではありません。(著者まえがきより抜粋) 幼少期から鎌倉で育ち、今なお住み続ける著者が、愛し、慈しみ、ともに過ごしてきたともいえる、鎌倉の珠玉の美味を語るエッセイ集。 お屋敷街に佇む未来の老舗(イチリンハナレ)、自営の畑を持つ野菜のビーン・トゥー・バー(オステリア・ジョイア)、カレーもいいけれど私はビーフサラダ(珊瑚礁 本店)、今はなき丸山亭の流れをくむ一軒(ブラッスリー・シェ・アキ)、かつての鎌倉文士に想いを馳せながら(天ぷら ひろみ)……ガイドブックやグルメサイトでは絶対にわからない、鎌倉育ちだから知っているおいしさと魅力に出会える1冊。 素材が豪華ならいいというものでもない、店の内装もまた味わいの一端を担うもの、いいバーとバーテンダーに出会う喜び……著者自身の思い出や実体験とともに語られる鎌倉のおいしいものたちは、自然と「いい店」「いい味」ってこういうことなんだな、という読後感をくれる。 版画のように精緻なタッチで描かれた阿部伸二によるイラストも美しく、まさに読んでおいしい、これまでなかった大人のための鎌倉グルメエッセイ。
---------- 甘糟りり子(あまかす りりこ) 1964年、横浜生まれ。幼い頃から鎌倉に暮らす。玉川大学を卒業後、アパレル会社勤務をへて文筆の道へ。クルマ、レストラン、ファッションなど、都会のキラめきをモチーフにした小説やコラムに定評がある。バブル世代の女性たちの40代を描いた『エストロゲン』(小学館文庫)や、現代に生きる女性やその家族が直面する問題を取り上げた『産む、産まない、産めない』『産まなくても、産めなくても』(ともに講談社文庫)は、読者の共感を呼びロングセラーとなっている。近著は『バブル、盆に返らず』(光文社)。幼い頃から慣れ親しんだ鎌倉に関する著作も多い。『鎌倉の家』(河出書房新社)、『鎌倉だから、おいしい。』(集英社)、『モーテル0467 鎌倉物語』(小学館文庫) ----------
甘糟りり子