【独占インタビュー】ウォリアーズのスティーブ・カーHC、「常に優勝争いできるように心掛けている」
我々が成功してきた大きな理由のひとつが…
──プレイオフではお互いのミスマッチを見つけて突いていく傾向がより強まっています。全選手が、すべてのことをできるように要求されるようになってきたと感じますが、そのあたりはチーム作りする時に重視していますか? カーHC:間違いないね。この10年間で我々が成功してきた大きな理由のひとつが、サイズがあり複数のポジションを守れる多才な選手が揃っていたことだ。アンドレ・イグダーラ、ショーン・リビングストン、ドレイモンド・グリーン、ケビン・デュラント、クレイ・トンプソン。彼らはどのポジションでもスイッチで守ることができる上に、ボールを持ってプレイメイクもできた。 今年のボストンの強さもそこにある。攻守でいろいろできる大型選手が揃っていた。今はどのチームもそのモデルを目指している。シュート、ドリブル、パスでプレイメイクができるサイズのあるウィング。そういった選手をできるだけコートに出せるようになれば、攻守で強さを発揮できるんだ。 ──個性の強い選手たちを抱えながらも成功してきたわけですが、どのようにそういった選手たちをマネジメントしているのですか? カーHC:コーチとして、それぞれの選手の性格だったり、どうすればモチベーションを上げることができるかだったりを理解する必要がある。そして結束させるためには、チームが守るべき価値観やルールを設けるようにしている。全員がそれを理解し、チームの一部になるのだという想いを持たせることが重要だ。 バスケットボールはチームスポーツなので、成功するには自分のためではなく、お互いのためにプレイする必要がある。基本的には選手たちもそうしようとしていると思う。コーチとしては、そうするにあたって、正しい習慣や価値観を持って行なえるようにしてあげるんだ。 ──コーチ・カーは試合中、チームがうまくいっていない時間帯でも選手たちに任せて、自ら解決策を見つけさせるようにしている時もありますよね。 カーHC:私は根が共同作業者というところがあってね。彼らに解決策を見つけさせるようにしているというよりも、その力を与えているという認識だ。タイムアウトを取ったら選手たちに「どう思う?」と問いかける。そうすることで、選手たちは自分たちも答えを探すことに責任を持たないといけないという気持ちが生まれる。NBAはコーチと選手の協力が成立する世界。良いチームというのは、コーチも選手もそれを理解した上で、それぞれがチームに全力を尽くすものだ。