【バレー】日本体大女子が青山学院大との対抗戦をイベント化 全日本インカレ前の真剣勝負に観客は熱狂
地域に根づいた活動を通じて大学バレーのあり方を探求
東日本インカレ女王の日本体大は、関東秋季リーグ戦優勝の青山学院大を招き「日本体育大学×青山学院大学-2024 大学女子バレーボール対抗戦-」と銘打ったイベントを11月10日に同校の世田谷キャンパス(東京)で開催した。多くの観客が詰めかけた対抗戦は日本体大が勝利。11月25日(月)に開幕する全日本インカレへ弾みをつけた 【日本体育大学×青山学院大学-2024 大学女子バレーボール対抗戦-そのほかの写真】 今回は日本体大の女子バレーボール部が主催。スポーツマネジメントゼミと根本研監督の運動方法バレーボールゼミが主管で、アメリカのカレッジスポーツを参考に、大学スポーツのあり方を探求していくイベントとして開催された。最初は日本体大とフィリピンのデ・ラ・サール大とのエキシビションマッチを実施。日本のバレーボールを参考に強化を図りたいデ・ラ・サール大が、日本体大にオファーしたところから実現した一戦だ。試合は主力メンバーを温存した日本体大が、高いブロックに苦しめられるもセットカウント3-1で勝利した。 メインとなる日本体大と青山学院大の対抗戦で、選手たちはエスコートキッズとともに入場。試合前には両大学の応援団がそれぞれ校歌を歌い、エールを交換するなど、対抗戦ならではの光景も。始球式では芸人のさとゆりさんがスペシャルゲストで登場。第2セットと第3セットの間には地元の太鼓クラブによるパフォーマンスで、会場を盛り上げる。対抗戦終了後は、世田谷区をはじめとした小学生のバレーボール体験教室が行われ、両チームの選手全員が参加した。根本監督は「青山(学院大)さんとこの時期に行っている対抗戦をイベント化しようと思い、開催しました。このような地域に根づいた活動をしていくことで、多くの人が大学バレーの会場に来ていただけるような雰囲気をつくっていきたい」と展望を語った。イベントは大盛況に終わり、大学バレーボールの新たな可能性を感じさせるものとなった。
両チームの堅い守りに大きな歓声 新永「思いきりプレーできた」
対抗戦では大きな声援が送られるなか、日本体大の選手たちが躍動。3年生アウトサイドヒッターの折立湖雪が得点を重ね、不在だった中野康羽キャプテンに代わりオポジットで出場した1年生の前田マリアも思いきって腕を振り、要所でスパイクを決めた。第1、第2セットはともに折立のブロックで25点目を獲得し、セットを奪取。続く第3セットは先にセットポイントを奪うも、青山学院大の4年生オポジット髙橋美鈴の2連続得点で逆転される。しかし、折立のスパイクと1年生ミドルブロッカー山上遥のブロックで再逆転した日本体大が勝利した。この試合で18得点と活躍した折立は「終盤で決めきれないのが課題だったが、今日で自信になった」と振り返った。特別ルールで行われた第4セットは1年生の土橋由里子、3年生の佐村真唯の両アウトサイドヒッターの活躍などで青山学院大がジュースの末にセットを奪い、一矢を報いる。こちらも、アウェーながらたくさんの声援に応えた。 ※土橋の土の字は土の右上に点がつく異体字 試合中、特に歓声が上がったのは強烈なスパイクをレシーブする瞬間だ。日本体大は2年生リベロの新永日菜詩、青山学院大は3年生リベロの伊藤鈴夏を中心に、ともに堅い守りで長いラリーを展開した。新永はレシーブで歓声が上がるたびに「気持ちいい」と感じたという。「楽しかった。いつもより緊張せずに、自分たちのプレーが思いきりできた」と笑顔を見せた。根本監督は「この秋のリーグ戦と皇后杯(関東ブロックラウンド)では(青山学院大に)完敗だったが、今日は相手の粘りに耐えて得点を決めきることができていた」とたたえた。 日本体大と青山学院大の、今季の対戦成績(公式戦)は日本体大の1勝、青山学院大の3勝だ。負け越している日本体大も、東日本インカレ決勝で敗れている青山学院大も、互いにしのぎを削るライバルだ。全日本インカレでは、両チームは12月1日(日)の決勝まで対戦しない組み合わせとなっている。今回以上に白熱した両校の戦いを決勝で見ることができるのか。両チームの勝ち上がりに注目したい。 対抗戦試合結果 日本体大3(25-21、25-23、27-25、24-26)1青山学院大 ※一方が3セット先取した場合は4セット目のみを行う試合形式
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