東プレ「REALFORCE」の70%キーボード、実機に触れた!
■東プレスイッチ小型キーボードの選択肢が増えた 接続方法としては、充電できるバッテリを内蔵し、4台までの機器とのBluetooth接続、そしてUSBでの有線接続に対応するハイブリッド仕様だ。 充電池の採用にはちょっと驚いた。だが、サポートに手厚いREALFORCEだ。消耗品としてのバッテリが劣化したら容易に修理対応してくれると信じる。同梱されたマニュアルには処分する際にバッテリを取り外す手順も解説されていた。 スイッチ機構は静電容量無接点方式だ。この方式は、2011年に初代のREALFORCEが発売されて以来高く評価されている。APC(Actuation Point Changer)にも対応し、キーの押下げ0.8、1.5、2.2、3ミリのオン位置をキー個別に指定できる。また押下げ時のキー荷重は45グラムと30グラムがあり、配列も日本語と英語の両方が提供される。 先日、テンキーレスのアイボリー色R3キーボードが限定発売されたばかりだが、その重量は1.3キロで、今回のRC1の倍以上だ。 これまで静電容量無接点キーボードをこよなく愛するプレミアムコンパクトキーボードユーザーの多くが同じ東プレスイッチを採用するHHKBを選んできたと思うが、今回のRC1登場で選択肢が増えたことになる。それを歓迎するユーザーも少なくないだろう。
■いろんな用途に対応する高いカスタマイズ性に期待 蛇足をひとつ。REALFORCEもHHKBも独自のキーマップ入れ替え機能を持っていて数種類のキーマップをキーボード本体が記憶できるようになっている。 だが、双方ともに修飾キーと一般キーの組み合わせに、特定の機能キーを割り当てることはできない。ホームポジションから遠いBackSpaceキーに右手小指を伸ばすよりも、Ctrl+Hを叩けばBackSpaceを叩いたのと同じになればいいのにと思っているユーザーはたくさんいる。「Control」や「Fn」キーとのコンビネーションショートカットを駆使するユーザーのためにも対応を考えてほしいものだ。 WindowsやmacOSなら、探せばキーボードコントロールのためのソフトウェアはあるが、使うパソコンに勝手にインストールしていいとは限らない。また、AndroidやiOSでは自在な再マッピングを可能にするアプリがなかなか見当たらない。 こうした事情を考えると、キーボードがキーマップを数種類記憶してくれるというのは実にありがたいのだ。そんなキーボードさえあれば、どんな機器でもストレスなく快適に作業ができる。今後は、そんな方向性にも対応してもらえればと思う。 こうしたコンパクトキーボードの充実、モバイルディスプレイの浸透などから、ノートパソコンの役割やあり方はちょっとずつ軌道が修正されつつある。そしてAI。これからのノートパソコンはどこをを目指していくのだろうか。 ■ 著者 : 山田祥平 やまだしょうへい パソコン黎明期からフリーランスライターとしてスマートライフ関連の記事を各紙誌に寄稿。ハードウェア、ソフトウェア、インターネット、クラウドサービスからモバイル、オーディオ、ガジェットにいたるまで、スマートな暮らしを提案しつつ、新しい当たり前を追求し続けている。インプレス刊の「できるインターネット」、「できるOutlook」などの著者。
山田祥平