「故人が党費支払った」富山市連に事務所説明 自民・田畑衆院議員、不適切な党員登録
●支援企業関係者にも「亡くなったおじが」 自民党の田畑裕明衆院議員(富山1区)の事務所が管理する党員に約100人分の不適切な登録があった問題で、事務所が党富山市連に10月上旬ごろ、一部の実在しない党員について「故人が登録し、党費を支払っていた」との趣旨の説明をしていたことが21日分かった。田畑氏が支援企業の関係者に語った口裏合わせとほぼ同じ内容であり、市連内では説明を疑う声も出ている。 市連の高田重信幹事長が21日、富山新聞の取材に応じた。高田氏によると、9月末ごろ、自分や架空の名前で計5人分ほど、無断で党員に登録されているとの問い合わせが党にあり、中川忠昭市連支部長が田畑氏の事務所に確認した。 事務所の担当者は中川支部長に対し、この党員登録は既に亡くなった支援者が集め、全員分の党費をまとめて事務所に支払っていたと説明。登録の経緯は分からず、支援者の死後も別の人物が引き続き全員の党費を払っていたため、無断や架空の登録との認識はなかったという。 これを受け、高田氏は問い合わせをしてきた人物に田畑氏の事務所から受けた説明の内容を伝えて謝罪、党員登録を解除したという。 この問題をめぐっては、田畑氏の支援企業の関係者が名前や住所を無断で使われ、党員に登録されていた可能性が高いことが分かっている。この関係者は富山新聞の取材に対し、田畑氏から電話で党費について「亡くなった自分のおじが払っていたことにしようと思っている」と、口裏合わせとも取れる発言があったと話している。 党市連は田畑氏に事実関係を調査して報告するよう指示しているが、21日時点で回答はないという。 ●見抜けず「反省」 田畑氏は党派閥裏金事件で収支報告書の不記載が発覚。政治資金パーティーの案内状も不備があり批判されたが、10月の衆院選では信頼回復に努めると訴え、市連の応援を受けて2位に僅差で5選を果たした。高田氏は「見抜けなかったことを反省しなければならない」と述べた。