2015プロ野球今シーズン、4つの注目ポイント
最後にメリット受けそうなソフトバンクの打者を考えてみたい。表4はソフトバンクの各打者がヤフオクドームで記録した外野フライの数だ。昨シーズン最も多くの外野への飛球を放っていたのは内川で61本、ホームランの数は6.6%にあたる4本だった。ホームランにならなかった飛球は57本もあり、最もホームランを増やす可能性を秘めているといえるだろう。自身初の20本塁打どころか30本すら期待できそうだ。
3. 広島、5球団目の200万人達成なるか
次に注目したいのは黒田復帰に沸く広島だ。MLBでも上位の成績を残してきた黒田と、球界トップクラスの投手である前田健太が揃ったことでいよいよ24年ぶりの優勝も夢ではなくなってきた。そこで期待されるのが観客動員の200万人突破だ。2005年に観衆の実数発表が始まって以降、年間200万人の動員を達成したのは4球団。巨人、阪神、ソフトバンク、中日が2013年の中日を除いて毎年200万人を突破してきた(表5)。 一方でほかの8球団は一度も200万人の大台に到達したことがない。日本ハムは2009~2011年にあと少しまで近づいていたのだがその後3年間は伸び悩んでいる。ここに迫ってきたのが広島だ。昨年は開幕から好調だったこともあり球団新記録となる190万人の動員を達成した。チームの人気が上昇する中で実現した黒田復帰、これによってすでに昨年を上回る勢いで年間シートが売れているともいわれ、今シーズンはさらなる観衆増加が期待できそうだ。三大都市圏+福岡のチームだけが突破してきた200万人という壁を、人口100万人強の街を本拠地とする広島が達成する意味は大きい。広島の観衆がどこまで増えるのか、その成績とともに要注目だ。
4. 谷繁&岩瀬が大記録達成へ
最後の注目ポイントはプロ野球史に刻まれている大記録へ迫る中日の2人のベテランだ(表6)。まずは野村克也の持つ3017試合出場に近づく谷繁から。現在の出場試合数は2991試合。日本記録へはあと26試合となっており到達は濃厚だ。昨シーズンは週に1試合程度の休養を挟みながら91試合に出場、26試合目の出場は5月13日(チーム38試合目)だった。選手としての出場を脅かす存在もまだ表れておらずケガさえなければ昨年並みの出場は十分考えられるだろう。その場合大記録に迫るのは交流戦のころとなりそうだ。その瞬間を本拠地で見たいのであれば5月15日からの阪神3連戦か翌週の巨人3連戦辺りがねらい目か。