2015プロ野球今シーズン、4つの注目ポイント
2. ヤフオクドームにラッキーゾーン新設
2つ目の大きな変化は球界最大級の球場に導入される「ラッキーゾーン」だ。ソフトバンクは昨年末に現行の外野フェンスの前にフェンスを新設し、その中に新たな観客席を設けることを発表した。これにより両翼(100メートル)とセンター(122メートル)は変わらないものの、右中間、左中間(約115メートル)のふくらみが小さくなり、最大で5メートルフェンスが手前に寄せられることになった。また新たに設けられる外野フェンスは現行の5.8メートルより低い4.2メートルとなる。この新しいスペックはホームランがよく出ることで知られる東京ドームと近いもの。間違いなく試合の内容は激変するだろう。
ではいったいどの程度の影響が考えられるのか? まず参考にしたいのはクリネックスタジアム宮城(現在は楽天コボスタジアム)に作られたEウイングだ。2013シーズンの開幕前に新設されたEウイングは、もともとのフェンスの手前に新たなフェンスを設ける形で作られた。これによって両翼、右左中間が約1メートル短くなった。その結果が表2。Kスタでのホームラン数は前年の38本から92本と約2.5倍に激増した。この年は統一球問題の影響もあり、NPB全体でもホームランの数が1.5倍になったこと、マギー、ジョーンズという長距離砲が楽天に加わったことを考慮にいれても50パーセント増程度の影響はあったことがうかがえる。
また東京ドームと同サイズという点からの検証が表3。これは外野への飛球(安打となったものは除く)と本塁打の割合を球場ごとに比較したもの。2014シーズンではNPB全体で外野への飛球のうち12.4%がホームランとなっているのに対し、ヤフオクドームでは8.8%だった。一方東京ドームの数字は16.6%とヤフオクドームの倍近い値となっていることがお分かりいただけるだろうか。この東京ドームのサイズに近づくとなればホームランの激増は必至、昨シーズンの倍となる140本程度が生まれる可能性も十分だ。