ヤンキースのジラルディ監督が退任決定。その理由と後任候補は?
ヤンキースは26日(日本時間27日)、ジョー・ジラルディ監督が今季限りで退任すると発表した。 ジラルディ監督は、2008年から10年間ヤンキースを指揮。09年にワールドシリーズを制覇した。今季はア・リーグ東地区2位でワイルドカードからア・リーグ優勝決定シリーズまで進んだが、アストロズに敗れてワールドシリーズには進出できなかった。 ジラルディ監督は、今季が契約最終年。キャッシュマン・ゼネラルマネジャーは「来シーズンは他の選択肢を取ることにした」と声明を出した。 なぜヤンキースはジラルディ監督と新たに契約を結ばなかったのか。ニュージャージー・ドット・コムは「コミュニケーションが原因かもしれない」というタイトルで報じた。 「ヤンキースではジラルディはよい人間で、よい監督との評価を得ている。しかし、選手たちは監督とのコミュニケーションが十分でないと密かに感じていた。組織内の情報筋がそのように話した」と述べ、選手に役割などを明確に伝えていなかったことを指摘した。 まだ後任監督は決まっていないが、ニューヨークのメディアは後任候補については次のように報じ、ニューズデー紙は「次の監督候補になるかもしれない人物」として6人の名前を挙げた。 チームの内部からは、ベンチコーチであるロブ・トムソン、マイナー3A監督のアル・ペドリック、三塁コーチのジョー・エスパーダ、打撃コーチであるケビン・ロングの4人だ。 同紙は「トムソンは28年にわたり、ヤンキースのほとんどの役割を経験してきた。この4年間はジラルディ監督のベンチコーチだった。ペドリックはヤンキースの若く才能ある選手、アーロン・ジャッジ、グレッグ・バード、ルイス・セベリノらのマイナー時代の監督。ダークホースはエスパーダ三塁コーチ。ロングは、2014年に一度、キャッシュマンから解雇されている。しかし、決して彼が監督にはならないと言わないほうが賢明だ」と、彼らが、候補になっている理由を説明した。 またインディアンス、ダイヤモンドバックスなどでプレーした元内野手のジェイ・ベルも、内部昇格候補の1人で、「ベルは、今年マイナーAのタンパ・ヤンキースで監督をし、フロリダ・ステート・リーグの最優秀監督賞を受賞している」という。 外部から招聘する可能性もあり、マリナーズ、ヤンキースなどで活躍したラウル・イバニエスの名前もリストアップされた。 同紙は「イバニエスは、キャッシュマンら多くの人たちからリスペクトされた選手。2014年にレイズの監督のポジションを目指して面接を受けたことがある」と、その可能性について説明した。 ニューヨークポスト紙は「他の数チームは新監督が決まった。レッドソックスはアレックス・コーラ、タイガースはロン・ガーデンハイアー、メッツはミッキー・キャラウェイ。ヤンキースは監督探しのプロセスで少し遅れてスタートした」と指摘した。 さらに「これまでキャッシュマンGMは、自分がよく知っている人物を監督に採用してきており、打撃コーチのケビン・ロングや、ベンチコーチのロブ・トムソンが、その傾向を証明するかもしれない」と、内部昇格の可能性が高いという見解を伝えた。 また同紙は外部招聘案として今季限りでフィリーズの監督を退任したピート・マカニンの名前も挙げた。 その一方で、ワシントンポスト紙は「ジラルディはヤンキースを去るが、ナショナルズの監督職がちょうど空いている」という見出しをつけて、退任したジラルディ監督が、ナショナルズの監督に電撃就任する可能性があることを報じた。 同紙は「もしジラルディが来シーズンも監督をしたいのなら、ナ・リーグの東地区でその可能性がある。ナショナルズは、ダスディー・ベーカー監督が退任し、フィリーズもピート・マカニン監督がフロント入りすることになった」と、ジラルディ監督の再就職先の可能性について触れた。 田中将大が、ワールドシリーズ終了後に、オプトアウト(契約破棄)できる権利を持っているため、ジラルディ監督の退任は、田中の、その決断にも影響を及ぼしそうだ。それだけにヤンキースの新監督が誰になるかに注目が集まっている。