東京海上HとMS&AD株が上場来高値、政策株売却で株主還元強化
(ブルームバーグ): 東京海上ホールディングスとMS&ADインシュアランスグループホールディングスの株価がそれぞれ上場来高値を更新した。政策保有株売却を進めながら、売却によって得た資金の一部を配当金など株主還元に充てる動きが好感されている。
東京海上Hが一時前日比8.7%高の5397円、MS&ADが同18%高の3265円までそれぞれ上昇した。一方、SOMPOホールディングスは同6%安の2944円と下落した。
SMBC日興証券の村木正雄シニアアナリストはリポートで、MS&ADの株主還元は3社の中でも際立っていると評価。東京海上Hは安定的に収益力と配当を増やしている印象としたほか、SOMPOの今期業績は投資費用もあり、国内損保のコア引受利益の下振れが大きい印象だとした。
3社が20日に発表した前期(2024年3月期)決算は株式売却益も押し上げ要因となり、純利益は過去最高益を更新。東京海上HとMS&ADが今期(25年3月期)も2桁の大幅増益見通しであるのに対して、SOMPOは自動車保険での収支悪化や先行投資コスト負担で45%減を見込む。
同時に東京海上Hが現時点で年間2000億円、MS&ADが1900億円、SOMPOが770億円の自社株買いを実施すると公表。3社は今期中に合計で1兆4750億円超の政策株を売却する方針を示した。
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Nao Sano