パートで商社の「経理事務」をしています。同じ仕事なのに、同僚の「派遣」の人のほうが「400円」も時給が高いと知り不公平に感じています…なぜ派遣の待遇のほうが良いのでしょうか?
派遣で働くほうが得?
それでは時給の高い派遣労働者として働く方が、通常のパートで働くより得なのでしょうか? それぞれのメリットをみていきましょう。 ■派遣で働くメリット 派遣労働者として働くメリットには、給与以外にも次のようなことが挙げられます。 ●就業期間や経験を活かした仕事を選んで働ける ●中小企業から大企業まで、様々な会社での業務を経験できる可能性がある ●契約内容以外の仕事は基本的に発生しない こうしたメリットの反面、派遣という働き方には「裁量の大きな仕事は任せてもらえない」「雇用が不安定」などのデメリットがあります。 ■直接雇用のパートとして働くメリット 一方、直接雇用で働くメリットは以下のとおりです。 ●1つの会社で長く働くことが可能 ●会社によっては賞与などの支給がある ●勤務期間が長くなるにつれ、重要な仕事を任せてもらえることもある 直接雇用のデメリットとしては、残業や休日出勤、部署や勤務地の異動の可能性がある点などが挙げられます。
まとめ
派遣労働者の時給が高いのは、賞与や通勤手当、退職手当などが時給に含まれていることが一因です。しかし直接雇用のパートなら期間に縛られずに働けることを考えると、単純に時給だけで損得は判定できません。 派遣と直接雇用のパートには、それぞれメリットがあります。長い職業人生の中、自分を取り巻く状況や働く目的が変わることは多々あるため、両方の特徴を知ったうえでその都度、働き方を選んでいくとよいでしょう。 出典 一般社団法人 日本人材派遣協会 派遣社員の賃金と派遣料金 厚生労働省 令和4年賃金構造基本統計調査の概況 厚生労働省 労働者派遣法第30条の4第1項第2号イに定める同種の業務に従事する一般労働者の平均的な賃金の額に係る通知について 厚生労働省 令和6年度の「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律第30条の4第1項第2号イに定める「同種の業務に従事する一般の労働者の平均的な賃金の額」」等について 執筆者:橋本典子 特定社会保険労務士・FP1級技能士
ファイナンシャルフィールド編集部