ベッセント氏、安倍氏「3本の矢」倣い提言-減税を優先と米紙に語る
(ブルームバーグ): トランプ次期米大統領が次期財務長官に指名すると発表したスコット・ベッセント氏は、故安倍晋三元首相が過去に提唱した「3本の矢」に倣う経済政策をトランプ氏に助言したと米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)が報じた。
同紙によれば、ベッセント氏は安倍氏にヒントを得て、「3-3-3」と呼ぶ政策を推進するようトランプ氏に提言した。2028年までに財政赤字を国内総生産(GDP)比3%に削減するほか、日量300万バレル相当の原油増産、規制緩和によるGDP成長率3%の実現を促す政策で構成する。
ベッセント氏は同紙とのインタビューで、トランプ氏のさまざまな減税の公約を果たすことが自らの政策の優先課題だと説明。17年に時限措置として成立した「トランプ減税」の恒久化とチップや残業代への課税撤廃が含まれるという。
関税の導入と歳出削減、「世界の準備通貨としてのドルのステータス維持」にも重点的に取り組むとベッセント氏は述べた。
WSJ紙によると、1991年に入社したソロス・ファンド・マネジメント(SFM)は92年にポンドを欧州為替相場メカニズム(ERM)離脱に追い込んだが、英住宅市場の脆弱(ぜいじゃく)性に関するベッセント氏のリサーチがきっかけだった。
2011-15年にはソロスの最高投資責任者(CIO)を務めた。円安などを見越した日本投資が成功を収め、巨額の利益を生んだ。
トランプ氏の大統領復帰に伴う市場の動揺を織り込む動きが後退する中で、ベッセント氏の起用が伝えられると、ドルは他の主要通貨に対し下げ、米国債利回りは低下した。
原題:Treasury Pick Bessent Tells WSJ That Trump Tax Cuts Are Priority、Bessent Says Delivering on Trump Tax Plans Is Top Priority: WSJ(抜粋)
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Tim Smith