精華女子が東海大福岡との全勝対決を制す…2年連続の県予選優勝「地元インハイで日本一になる」
6月1日と2日、飯塚市総合体育館で「令和6年度全国高等学校総合体育大会(インターハイ)バスケットボール競技大会福岡県予選」の決勝リーグが開催。男女各4チームがインターハイと九州ブロック大会出場をかけて争い、女子の部は精華女子高校と東海大学付属福岡高校が出場権を獲得した。 今大会を無敗で乗りきり、2年連続の優勝を果たしたのは精華女子。全勝同士で激突した東海大福岡との最終戦は、4点差で決着がつく白熱した展開となった。 13-11でスタートした第2クォーター、精華女子は清藤優衣、米森奈々心の連続3ポイントシュートで前へ出ると、中釜光来も2本の長距離砲をマーク。この10分間で計6本の3ポイントを決めて引き離し、11点リードを作ってハーフタイムへ。 第3クォーターは東海大福岡が反撃。東口紅愛、浜口ゆずの2年生コンビが得点を伸ばし、ゴール下ではチャラウ アミがオフェンスリバウンドで勢いを与え一時同点に追いつく。だが、終盤は精華女子のキャプテン兼エースの清藤が確実にフリースローチャンスをものにし、残り1分にはバスケットカウントを決めて再びリード。51-45で最終クォーターへ突入した。 第4クォーターは開始から激しい点の取り合いとなるも、東海大福岡にアクシデントが発生。東口がドライブからレイアップを放った際に足を負傷して続行不可能となり、チームに暗雲が立ち込めた。しかし、東海大福岡はここから内藤みやび、東口に代わってコートインした根間芙奈が立て続けに3ポイントを決めて一気に試合をひっくり返す。8点ビハインドを背負った精華女子は、残り4分を残して最後のタイムアウトを請求した。 「次の1本を取られてしまうと厳しいと思ったので、最後のタイムアウトを早めに取りました。あそこで選手たちと意思疎通を図れましたし、いいタイミングでプレスディフェンスを仕掛けられたことが勝因につながったと思います」 大上晴司コーチが振り返ったように、追い込まれた精華女子が息を吹き返した。オールコートのゾーンプレスを敷いて相手の攻撃を阻むと、攻めては再びアウトサイドシュートが決まりだして同点、さらには逆転に成功。最終盤で東海大福岡から4つのミスを誘発してリードを奪い返し、最終スコア69-65で熱戦を制した。 大上コーチは、3年生主体の今年のチームについて「今の3年生はバスケットをよく理解していて、言いたいことを言い合える集団です。私が何かを言う前に自分たちでいろんなコミュニケーションを取りながら試合にアジャストしていくことができますし、その点に関しては今までのチームで一番だと思っています」と胸を張る。今回の一戦でもその強みが発揮され、たとえ追いつかれたりリードを許したりしても、勝負どころは譲らなかった。 一方、東海大福岡は1年生の頃からゴール下を支える伊東友莉香が今大会中に負傷。宮﨑優介コーチが「大黒柱」と呼ぶ今年のキャプテンは替えがきかない選手であり、多くの2年生が主力を担うこととなった。 そのため、精華女子とは反対に「最後は下級生チームの弱さ、若さが出てしまった」と宮﨑コーチ。それでも、「今まではスピードのみでしたけど、今大会はアウトサイドシュートやアシストでも光る部分があった」と、2年生ガードの根間を評価するコメントも残し、「もっと平面的な部分を鍛えないといけない。今日も何本かディフェンスからブレイクに持っていけるシーンがありました。その決定力やアウトサイドシュートの本数も増やしていきたいです」と今後を見据えた。 「地元インターハイで日本一になることが目標」(大上コーチ)。精華女子は福岡県で開催される「令和6年度全国高等学校総合体育大会 バスケットボール競技大会(インターハイ)」へ弾みをつけた。6月15日から行われる「令和6年度全九州高等学校体育大会 第77回全九州高等学校バスケットボール競技大会」でも大会2連覇がかかるなか、昨年の全九州大会、今年3月の九州新人大会ではともに決勝戦で東海大福岡との激闘を繰り広げている。 2週間後、鹿児島の地で再び“福岡決戦”が実現するか。東海大福岡の巻き返しにも注目したい。 文=小沼克年
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