【NFL】QBフラッコを先発起用も、QBリチャードソンを「見限るつもりはない」とコルツHCスタイケン
クオーターバックのプレーの微妙な差異に精通している人のほとんどは、リチャードソンの最大の問題はメカニクスだと指摘するだろう。バッファロー・ビルズのQBジョシュ・アレンがキャリア初期に経験したように、リチャードソンも生産性の高いパサーになるために、フットワークを含むメカニクスを調整する時間を確保する必要がある。しかし、プレーオフ進出が現実的な可能性として残っている中で、地区ライバルのテキサンズに敗れて4勝4敗となっているコルツには今、そのことに集中している余裕はない。
スタイケンHCは「もちろん、難しいことではあるが、やはり、この組織にいる53人の選手たちにフットボールの試合に勝たせることが私の義務だ」と述べている。
「今は試合に勝つことに集中している。将来のことについては、そのときを迎えてから考える」
指揮官として比較的短い在籍期間で、スタイケンHCはこのような決断を下すだけの権威を獲得してきた。2023年シーズン序盤にリチャードソンをケガで失った後も、スタイケンHCはベテランのバックアップQBガードナー・ミンシューを起用してコルツの競争力を保ち、シーズン最終戦でAFC(アメリカン・フットボール・カンファレンス)南地区王者のテキサンズに敗れるまで、プレーオフ進出の可能性を維持していた。
スタイケンHCは現在、フラッコというより良い選択肢を持っていると信じている。2023年シーズンにクリーブランド・ブラウンズに加入したフラッコは、先発としてチームを4勝1敗に導く中で、1,616ヤード、タッチダウン13回に対してインターセプト8回を記録するなど、魔法のような力を発揮してプレーオフ進出に貢献した。今シーズンにコルツの一員として、ブラウンズを躍進させた昨季と同様の活躍を見せているフラッコは、3試合に出場(うち2試合に先発出場)してパス成功率65.7%、716ヤード、タッチダウン7回に対してインターセプト1回という成績を残し、チームに2勝をもたらしている。
今もなお仕事をやり遂げるのに必要な腕の才能と、豊富な経験を持ち合わせているフラッコは、スタイケンHCのオフェンスを比較的高いレベルで実行できることを証明してきた。残り9試合となった今こそ、フラッコに残された力を最大限に生かす時だと言えよう。