「去年はあそこに…」巨人の55番が苦悩の2軍生活…1軍中継見るのをやめた日も 6月G球場でつぶやいた言葉
巨人・秋広優人内野手(22)が6日、東京・大手町の球団事務所で契約更改交渉に臨み、今季年俸3250万円から800万円減の2450万円でサインした。今季は1軍で出場26試合に終わり、ノーアーチと低迷。今月中旬からオーストラリア・ウィンターリーグ(WL)に参戦する背番号55は「弱気」「通訳」「物欲」の3禁生活で、来季レギュラー奪取の足がかりをつかむ。 * * * * 秋広は苦悩していた。今季序盤は特に試行錯誤を繰り返す日々。「しっくりこなくて迷いながらやっていた」。構える際のグリップを上げたり、下げたり。バットを極端に短く持つこともあるなど、週単位で打撃フォームは変わっていた。「何とかしないといけない」という気持ちとは裏腹に、答えはなかなか見つからないようだった。 ファーム生活中、1軍の試合をテレビ観戦していたが、思わず見るのをやめたことが何度もあったという。「去年はあそこにいたのに」。自分へのふがいなさ。悔しさ。いらだち。明るい性格で愛される男が6月のG球場で、ふと発した言葉に苦しい心境が垣間見えた。 ただ、最終盤には光が差し込んできたように感じる。8月下旬から立てていたバットを左肩の上付近に寝かせ、捕手方向に引く動きを小さくしたフォームに修正。「強く振る」というシンプルな思考にも立ち返った。 10月のフェニックス・リーグでは2戦連発も記録。フリー打撃で披露しているチーム屈指の飛距離を実戦で発揮し始めていた。「シーズン中盤からはいろいろな人のアドバイスもあってしっくりきた」と秋広も好感触を明かす。異国で心身ともに進化し、必ずはい上がる。(野手担当・宮内 孝太)
報知新聞社