声優26名が異議を唱える「NOMORE無断生成AI」本格始動 初回は山寺宏一らが“プロ声優視点”で見解
15日に予告編を公開し、24時間以内に250万回の再生数を記録するなど、すでに大きな反響を呼んでいる声優有志の会による啓発活動『NOMORE無断生成AI』が21日に本格始動。初回の動画コンテンツとなる本編第1弾の公開をYouTubeほかにて開始した。 【動画】活動が始まった「NOMORE無断生成AI」キャンペーン予告編と第1弾を見る 先日公開された予告編では中尾隆聖氏、梶裕貴氏、福山潤氏、山寺宏一氏など、日本を代表する声優26名が出演。中尾氏の「私の声が勝手に売られていたんです。驚きました。私達の声は商売道具で、人生そのものです。」とのメッセージとともに、各声優が「NOMORE無断生成AI」と訴えかける内容となっており、大きな注目を集めた。
第1弾では声優6名が生成AIと無断利用に言及、日俳連も賛同
これに続く、今回の本編第1弾では山寺宏一氏、坂本千夏氏、かないみか氏、関俊彦氏、くじら氏、中尾隆聖氏が出演。無断生成AIの被害動画を視聴してどのように感じたのか、生成AIはどのような変化を業界にもたらすと思うか、どのような使われ方が望ましいか…などの質問が展開され、無断利用による収益化問題にも持論を展開した。 同会は「無断生成AI」を「実演家、著作権者の許諾なく、無断で追加学習、生成、公開されたAI生成物」と定義。現行法では情報解析のための学習は著作権法の範囲外とされているものの、追加学習については議論が分かれる状況にあると指摘している。 近年、音声分野での生成AI活用は著しい進展を見せており、人間の声を高精度に再現することが可能となっている。一方で、著名声優の声を無断で使用し、販売するケースも発生。これに対し、声優有志の会は「新しい技術がもたらす恩恵を認めつつも、お互いの気持ちや、未来の文化のあり方まで視野を広げて、議論を重ね、みんなで技術の使い方を考えていきたい」と建設的な対話を呼びかけている。 日本俳優連合および日本音声製作者連盟が筆頭賛同団体として参画しており、今後さらに賛同団体が増加する見通しだ。また、活動への賛同を示すためのSNSアイコン用ロゴも公開され、X(旧Twitter)、TikTok、YouTubeの各公式アカウントを通じて継続的な情報発信が行われる。 なお、本件に関して出演者の所属事務所や関係団体への直接の連絡は控えるようとも呼びかけている。 出演声優…池水通洋、上田燿司、甲斐田裕子、梶裕貴、片岡富枝、かないみか、くじら、阪口周平、坂本千夏、咲野俊介、佐々木優子、島田敏、嶋村侑、新垣樽助、関俊彦、竹内良太、東地宏樹、中尾隆聖、中田譲治、浪川大輔、朴璐美、深見梨加、福山潤、宝亀克寿、宮本充、山寺宏一(※五十音順、敬称略) ※見解:同会の「無断生成AI」の定義 実演家、著作権者の許諾なく、無断で追加学習、生成、公開されたAI生成物のこと。2024年10月現在の法律では「情報解析のための学習」「非享受目的の学習」は著作権法の範囲外とされていますが、追加学習は議論が分かれます。誰の声か、誰の表現かということがわかるAI生成物は、著作権だけでなく人格権にも抵触する可能性があります。
編集部 アニメ情報担当