CWCでバイエルン、ベンフィカなどと対戦できる喜び “兼業選手”の多いオークランドCが待つ夢の舞台「失うものは何もない」
アメリカのビッグスタジアムで強豪と試合ができる
来年の6月にアメリカで開催予定のクラブワールドカップ2025(CWC)。この大会より出場チーム数は32まで増加し、本当の意味でクラブ版のワールドカップになった印象だ。 この大会に関しては過密日程の問題などマイナス面を指摘する声も根強くあるが、何よりもこの大会を楽しみにしているチームもある。その1つがオセアニア枠として出場するオークランド・シティFCだ。 オークランド・シティFCといえば、過去のCWCにも参戦していたことがあり、名前を知っている日本のサッカーファンもいるだろう。しかし、当時のCWCでは上位まで勝ち進まないと欧州や南米のトップクラブと対戦することが出来なかった。オークランド・シティはサッカーを本業としている選手が少なく、それぞれが別の仕事と掛け持ちしながらサッカーをやっている者が多い。その環境下では、どうしてもCWCを勝ち抜くのは難しい。 しかし2025年大会からは代表のワールドカップと同じグループステージ制が採用されているため、グループCに入っているオークランド・シティはバイエルン、ベンフィカ、ボカ・ジュニアーズと対戦できる。この3クラブに勝つのは困難だが、アメリカのビッグスタジアムでゲームが出来るだけでもオークランド・シティにとっては特別なことなのだ。 オークランド・シティの本拠地キウイティア・ストリートの収容人数は約3000人。それと比較すれば、来年のCWCではその10倍ほどの観客の前でプレイできるかもしれない。 伊『Gazzetta dello Sport』がそんなオークランド・シティにスポットを当てているが、クラブのゼネラルマネジャーを務めるゴードン・ワトソンは失うものは何もないと意気込む。 「我々のチームにいるFWのアンガス・キルコリーは数年前まで塗装業をしていて、朝7時に会社へ行き、トレーニングはその後だ。DFアダム・ミッチェルは不動産業、マリオ・イリッチは飲料会社の代表として働いている。我々の強みは、失うものが何もないということだ。3000席しかない我々のスタジアムとは違い、(CWCでは)5万席はあるスタジアムでプレイできるんだ」 バイエルンやベンフィカとの戦力差は明らかだが、オークランドはどこまで喰らいつけるのか。各大陸からチームが集まるCWCでは、それぞれのクラブにストーリーがあり、それも面白い要素の1つになりそうだ。
構成/ザ・ワールド編集部