韓国で元慰安婦支援団体の前理事長に横領などの有罪が確定するも、被告は「私と私の仲間は無罪だ」と主張
韓国大法院(最高裁)は11月14日、旧日本軍の元慰安婦を支援する団体の前理事長で、同団体への寄付金を横領した罪などに問われていた元国会議員の尹美香(ユン・ミヒャン)に対する、懲役1年6ヵ月、執行猶予3年の二審判決を支持した。これにより、尹被告の有罪が確定した。 【画像】尹美香(ユン・ミヒャン)元議員 韓国メディア「聯合ニュース」によれば、尹被告は2011~20年に元慰安婦への寄付金を私的に流用したほか、ソウル市の補助金を不正に受け取ったり、管轄官庁に登録せずに団体や個人の口座への寄付を募ったりした罪で、2020年9月に在宅起訴された。 一審では一部の横領のみが有罪とされ、尹被告に罰金1500万ウォン(約166万円)の支払いが命じられた。二審では、横領した金額や有罪と認める範囲が大幅に拡大され、執行猶予3年つきの懲役1年6ヵ月が求刑された。検察と尹被告は判決を不服としてそれぞれ上告したが、大法院は二審の判断に誤りはないとしていずれも棄却した。 韓国紙「中央日報」は、大法院の上告棄却をうけて、二審である控訴審裁判所の判決を一部紹介している。 「横領された資金は、市民が寄付した後援金や国家による慰安婦被害者への支援金だった。被告人はそのような資金を厳重に管理し、目的どおりに使用すべきことをよく理解していたにもかかわらず、期待を裏切って犯行に及んだ。このため挺対協(支援団体の旧名の略称)を支援した市民や団体の名声にも大きな損害を与えた」 同紙によれば、正義連(現在の団体名の略称)は判決直後、「大法院の判決を重く受け止め、国庫補助金の返還などを実行する」との声明を発表した。
「私と私の仲間は無罪だ」
当の尹被告は、無罪を主張している。「韓国経済新聞」は、尹被告が大法院の決定に対して、フェイスブック上で次のように述べたと報じている。 「大法院の決定によって、4年間の努力にもかかわらず『無罪』の結果を得られなかったが、今日ここで改めて申し上げたい。『私と私の仲間は無罪だ』。 私を含め挺対協の4~5人の活動家たちは、挺対協の劣悪な勤務環境にもかかわらず、代表から事務局長、専従活動家たちが一人何役も担って活動してきたが、その過程で私利を追求したり、そのために共謀したりしたことはない」
COURRiER Japon