20年ぶり新紙幣発行 県内金融機関、交換続々
日銀は3日、約20年ぶりにデザインを刷新した1万円札、5千円札、千円札を発行した。偽造防止のため、肖像の3D画像が回転するように見えるホログラム技術を世界で初めて取り入れた。初日は日銀金沢支店から北陸の金融機関に542億円が引き渡され、富山県内の銀行には交換を求める人が続々と訪れた。新紙幣を手にした人からは「きれい」「技術がすごい」との声が聞かれた。旧紙幣も引き続き使える。 1万円札の肖像は約40年続いた福沢諭吉から「日本の資本主義の父」と呼ばれる実業家の渋沢栄一に交代。5千円札は樋口一葉から女性教育の先駆けとなった津田梅子、千円札は野口英世から近代医学の基礎を築いた北里柴三郎に変更した。裏面は1万円札が東京駅丸の内駅舎、5千円札が藤の花、千円札に葛飾北斎の富嶽(ふがく)三十六景「神奈川沖浪裏」を採用した。 ●1時間余りで引き渡し終了、北陸銀 北陸銀行(富山市)は本店営業部で午前11時から新紙幣への交換を開始した。新紙幣1種類につき10枚までに数を制限したが、希望者が相次ぎ、午後0時15分で初日分の取り扱いを終了した。両替と出金で計118件の利用があった。 開店の午前9時から交換を待っていた富山市のパート太田真理子さん(51)は一番乗りで1万円札4枚、5千円札3枚、千円札3枚を入手。「前のお札よりもきれいで、ざらっとした手触り。使わず記念にとっておきたい」と話した。 富山第一銀行(富山市)の本店営業部でも午後1時半から新紙幣の取り扱いを開始し、両替と出金が計58件あった。富山銀行は4日午後から支店窓口で交換を開始する。