「生理ショーツが汚れても会議を続けた」「仕事中、トイレで母乳を絞って捨てた」 生理・妊娠・出産・更年期障害…女性の健康課題 我慢する時代はもう終わり
フェムテックビジネス 大手企業や国も積極的に
2022年の日本のフェムケア・フェムテック市場は、約700億円規模といわれていた。経済産業省の試算によると、フェムテックにより女性が活躍することで得られる日本国内の経済効果は2025年までに約2兆円に及ぶという。今回の「フェムテック フェス」には、国内の大手メーカーや厚生労働省、経済産業省も参加していた。フェムテック市場に集う人々の熱量の波に乗り、国も企業も「本気」を出し始めていることを肌で感じることができた。
国内での商品開発には壁も
日本企業のフェムテック市場参入支援を行う部門を統括するフェルマータ取締役の村上茉莉さんは、「日本でも年ごろから多くの企業が市場参入を試みています。しかし、これまで世になかったプロダクトを作ることはアイデアや事業戦略、規制の問題、収益化の観点でも容易ではありません。また、これまで我慢することが当たり前とされてきた風潮もあり、消費者が抱えるニーズも未だ多くが言語化されていません。フェルマータでは、そういう壁を乗り越えるために、企業、消費者、行政、医療関係者など多くのステークホルダーの知恵を寄せ合える場づくりを心がけており、「Femtech Fes(フェムテック フェス)!」もそのひとつ。これからも各社の事業開発に伴走していきます」と語った。
単なるブームに終わらせてはいけない
最後に、イベントで登壇したある女性の言葉を紹介したい。月経周期管理アプリを開発したデンマーク出身の起業家であり「フェムテック」という言葉の生みの親でもあるIda Tin(イダ・ティン)さんがイベントのため初来日し、フェムテックの必要性を力強く語った。 「フェムテックは女性だけのためでは終わらない。この市場を掘り起こすことで他の市場も広がる。生理は毎月やってくるしテクノロジーも進化する。テクノロジーで女性たちの健康を支えれば、地球規模のパワーにつながる。単なるブームに終わらせてはいけないのです。」 (画像一部提供:フェルマータ) RKB毎日放送 吉賀亜希子