不登校が減少に転じた大阪・八尾市の挑戦…仮想空間に交流の場、子ども食堂やフリースクール活用
今月2日には、不登校の子の保護者や民間事業者、教職員らがフォーラムを開催。放課後に母子で登校することから始め、興味を持ったことから自発性を育み、教室で授業が受けられるようになった小学生の例など、対策の成果が報告された。
不登校の子を持つ保護者は「甘えと思って無理やり学校に連れて行こうとしたが、本当に苦しんでいると気付いた。子ども食堂やフリースクールに通うことで少しずつ穏やかに過ごせるようになった」と話した。
中学時代に引きこもりを経験した高校生は、好きなプログラミングと出会い、意識が前向きになったという。「どん底と思っていた人生が、今では幸せを感じる。自分のペースで学べる道を選んでほしい」と呼びかけた。
パネルディスカッションでは、浦上弘明教育長が「子ども自身が一歩を踏み出さないと変わらない。興味、関心を引き出し、レールに乗せてあげることが大切だ」と指摘。文科省児童生徒課の千々岩良英課長は「多様な学びの場で、子どもたちが未来をつかめるようにしたい」と述べた。
不登校の子を支援するNPO法人理事長を務めた経験もある浦上教育長は、市内の小中学生の保護者向けに月2回程度、個別またはグループ(最大5人)で不登校や子育ての相談に応じる「うらさんの部屋」を始めた。問い合わせは市教育政策課(072・924・3888)。