ドイツW杯のジーコジャパンとザックジャパンの相違点
初戦で逆転負けを食らい、必勝を期した2戦目がスコアレスドローとなれば、否が応でも蘇ってくる。日本代表史上、最強のメンバーと謳われながら、1分2敗でグループ最下位に終わったドイツワールドカップのことだ。大会直前から生じていた亀裂が初戦を落としたことでさらに深まり、最後まで一枚岩になれなかった8年前の記憶――。
■遠藤「ドイツのときと似ている」 そういえば、アメリカのタンパ合宿の最中に、遠藤が気になることを言っていた。「ドイツのときと似ている気がする」。その真意を改めて訊ねてみると、「直前のフィジカルトレーニングがキツく、いい結果が出ている点が似ていたという意味で、初戦と2戦目の結果も一緒と言えば一緒ですけど、チームの雰囲気や試合への入り方とかはまったく違う。僕自身まったく気にしていない」という答えが返ってきた。 ■長谷部「“控え組”の高い意識に支えられている」 ギリシャ戦翌日には、チーム全体が意気消沈しているようだったが、たしかに亀裂が生じている感じはなく、オフを挟んでリフレッシュできたのか、今はチームの雰囲気も、選手の表情にも明るさが戻ってきた。結果が芳しくなくてもチームが結束している要因のひとつは、サブ組の献身的な姿勢にある。「チームがまとまり、全員が同じ方向を向けているのは、出番の少ない選手たちの立ち振舞いや彼らの高い意識に支えられているのが一番大きいと感じている」と、キャプテンの長谷部は感謝する。 ■西川「このチームでやれるW杯はこれが最後」 ギリシャ戦では不利な判定に対し、すぐさまベンチで立ち上がって怒りを露わにするなど、試合に入り込んでいる選手が多かった。ここまでピッチにまだ足を踏み入れていない選手が8人いるが、彼らの気持ちを代弁するように西川が言う。「このチームでやれるのはこのW杯が最後だし、そういった話は選手ミーティングでも出たし、みんな強い思いでやっている。出る、出ない関係なくチームを盛り上げて、とにかく1勝すれば可能性はあるわけで、他のチームの結果次第だけど、とにかく勝つために割り切ってやりたい」。