《ブラジル記者コラム》 マンガは「悪魔の書」か?!=Jpopアニメ禁止のキリスト教会も
豊富すぎる日本語の悪魔や妖怪関係の語彙
マンガの登場人物に近い存在として日本語版ウィキペディア(以下Wiki)「伝説の生物一覧」項(1)にはドラゴン、幻獣、「ギリシャ神話に登場する動物、複数の動物が合成(投影)されているもの」、魔物や魔獣、半人半蛇、馬の魔物、獣人や亜人、巨人(ジャイアント)、アンデッド(吸血鬼など)、神族、妖精や精霊、怪物、聖獣、ティアマト(メソポタミア神話)が生み出した怪物、「魔神、悪霊や精霊」、獣頭人身の神、天使(エンジェル)、女神、「悪魔(デビル、デーモン)」、人型妖怪・精霊、鬼、巨人型妖怪や神、動物型妖怪・精霊、植物型妖怪・精霊など詳しく分類され多彩な内容が説明されている。 これが英語版Wikiになると、わずか2行の本文とABC順のリストのリンク、地域別のリンクのみ。残念ながらポ語頁は存在すらしない。ぜひポ語の堪能な人にはこの項目に関して解説を含めて詳しく書いてもらいたい。日本語はこの手の語彙が豊富すぎ、キリスト教世界には翻訳する際に適当な言葉がないという問題があるようだ。 たとえばマンガによく出てくる「妖怪」は、日本語版Wikiで《日本で伝承される民間信仰において、人間の理解を超える奇怪で異常な現象、あるいは、それらの現象を起こす不可思議な力を持ち科学で説明できない存在》と書かれている。 だがそれを翻訳する場合、ぴったりしたポ語はなく、ポ語版Wikiではいきなり《Yōkai (妖怪 lit. demônio, espírito, ou monstro?)》と「demônio」が出てくる。 英語のspirit や elementalは、日本語でよく「精霊」と訳される。これはアニミズム(英語: animism、生物・無機物を問わないすべてのものの中に霊魂、もしくは霊が宿っているという考え方)に基づいた言葉であり、日本の「八百万の神」に近い部分があると思うので、翻訳の際にも応用してほしい言葉だ。