【特集】住み慣れた自宅で暮らしたい高齢者 「地域と共にその人らしく生きる」 在宅支援の現場に密着 広島・福山市
介護が必要になっても、住み慣れた自宅で暮したい高齢者の願いに応えようという事業所が、広島県福山市内にあります。新しいスタッフも加わった、高齢者の「在宅」を支える介護の現場を取材しました。 【動画】高齢者の「在宅」支える介護事業所の取り組み【広島・福山】
女性は年々足腰が弱り、最近は認知症の症状もあるといいます。それでも希望するのは、自宅での暮らしだったため、「さくらホーム」を頼りました。
■利用者の女性 「娘が「施設に入る?」って言うけど、ここの家がいいから、ここへ1人で住みたい。」
77歳になる男性は、2023年の末に身体を動かすのが不自由になりました。毎日スタッフが訪問し、部屋のかたづけやゴミ出しといった、日常生活をサポートしています。 ■介護事業所「鞆の浦・さくらホーム」スタッフ 佐藤弥生さん 「(訪問は)朝と夕方の2回で、夕方は排泄支援と明日の朝食の準備とかしています。」
利用者の男性にとって、スタッフとの何気ない会話は、心の支えとなっています。 ■利用者の男性 「心が通じる人がいるということが助かってます。家族と過ごしてる時は、他の人は挨拶はするけど、心は通じてなかった。」
介護事業としての拠点は3か所あり、利用者からの急な求めにも応えることができる体制を目指してます。
■介護事業所「鞆の浦・さくらホーム」会長 羽田冨美江さん 「そこの家の経済状況もいろいろあって、ご夫婦で認知症の方もいますよね。2人とも(夫婦で)施設に入ればいいのではないかと、地域の人は簡単に言うけど、2人(夫婦で)施設に入ったら、どれだけお金がかかるのかということなんですよね。」
費用の面でも、気持ちの面でも、在宅介護を希望する声が多いといいます。在宅と施設での介護を併用し、利用者のひとり暮らしを支援する「小規模多機能型居宅介護」は、2006年の介護保険法改正でサービスが始まり、施設への「通い」や「泊まり」、自宅への「訪問」を組み合わせて利用できるようになりました。この介護は、24時間365日利用でき、利用料は月々定額制です。