「こんな美人いたっけ!?」たった2コマの登場も…『ドラゴンボール』「味わい深いモブキャラ」たち
■働き盛り! モブキャラ・プロフェッショナル編
本作には、仕事を全うするプロフェッショナルなモブキャラもいた。 まずは第33巻に登場し、セルゲームを撮影し続けたTVクルーたち。ミスター・サタンを最強だと勘違いしてやたらヨイショするリポーターには読者としてイライラするものがあったが、Z戦士とセルの壮絶なバトルにビビりながらも、その場で取材し続けたことは単純にすごい。 モブキャラとして紹介するのは心苦しいが、本名が最後まで明かされなかったということで天下一武道会のアナウンサーも紹介する。 金髪にサングラス、そして黒いスーツが特徴の彼は、悟空が初出場した第21回、さらには第22回、第23回天下一武道会で司会進行役とリングアナ、そして審判員とマルチタスクを務めた名物キャラだ。 さらに第36巻、第25回天下一武道会にも少し年齢を重ねた姿で再登場。さすが悟空たち武術家の戦いを長年間近で見てきた彼だ。セルを倒したのはミスター・サタンではなく悟空たちであると承知していたことは、読者として非常にうれしかった。
■ヒロインクラスの可愛さ! モブキャラ・美女編
本作にはブルマをはじめ、チチ、ビーデル、人造人間18号など、可愛い女性キャラも多く登場する。そして、それにも匹敵するほどのモブキャラも存在する。 それは第3巻に登場した人魚だ。亀仙人に修行をつけてもらうために悟空が連れてきた“ぴちぴちのギャル”で、作中トップクラスの超美少女だった。しかも筋斗雲にも乗れていたことから、心も清らかであることが分かる。 また第8巻に登場した、バイオレット大佐も色気のある美しいキャラだった。レッドリボン軍の一員で、ブルー将軍が悟空から奪ったドラゴンレーダーを使ってドラゴンボールを集める任務についているようだった。2コマだけのかなり短い登場だったが、その美しさは印象に残っている。
■ヒト以外も大活躍!モブキャラ・動物編
最後は、意外な活躍をした動物のモブキャラも紹介したい。 まずは第7巻のネズミだ。ブルー将軍の超能力によって身動きが取れなくなった悟空を助けた。その後、悟空はこの命の恩人であるネズミを口に入れ、崩れる海賊のアジトから一緒に脱出している。 次は、第18巻の恐竜。アニメ版のOP・EDにも登場しているので、記憶に残っている人も多いのではないだろうか。 恐竜はサイヤ人襲来に備えたピッコロとの本格的な修行前、サバイバル生活中の悟飯をたびたび襲っている。しかしその都度シッポを切られ、自らお肉を悟飯に提供していた。ちなみに第3巻、父・悟空も亀仙人のもとでの修行中に恐竜に追われているシーンがある。修行中恐竜に追われるのは孫家の伝統のようだ。 最後は25巻、ナメック星のカエルも印象深い。ベジータと入れ替わろうとしたギニューが、間違って入れ替わってしまったのがカエルだ。入れ替わった直後、ギニューの体はピョンピョンと跳ねてどこかへ行ってしまい、反対にカエルになってしまったギニューは、涙をこぼしこちらもどこかへ行ってしまった。 ちなみに、このカエルギニューは、アニメではブルマと入れ替わるなどオリジナル展開もあり面白いので、機会があれば見てみてほしい。 今回はそんな『ドラゴンボール』の味わい深いモブキャラたちを紹介してきた。おじさんに美少女、さらには動物まで、彼らは短い登場シーンながら、それぞれが異なる形で読者の心に残るところとなった。 彼らのように個性的で味わい深いモブキャラの存在が『ドラゴンボール』という作品に幅や奥行きを持たせ、さらに魅力的なものにしていたように思う。
海狸こう平