廃棄物から“ラグジュアリー”スニーカーを作るヘレン・カーカムとは何者か
「ヘレン カーカム(HELEN KIRKUM)」はロンドンを拠点に廃棄スニーカーを材料に“ラグジュアリースニーカー”を提案する。2018年、コンプレックスコンで村上隆がキュレーションを務めるアートインスタレーションに参加し、一躍脚光を浴びた。その後、「アディダス(ADIDAS)」「リーボック(REEBOK)」「アシックス(ASICS)」とった有力ブランドとのコラボレーションを次々と成功させた。現在は廃棄スニーカーを素材にしたスニーカーの小規模な量産化に成功し、スニーカーに加えて、観葉植物用ポットなどのグッズ、依頼を受けてスニーカーをリメイクする「ビスポーク」、そしてブランドとのコラボレーションの4つの柱でビジネスを営む。ヘレン・カーカムとは何者か。オンラインインタビューを行った。 【画像】廃棄物から“ラグジュアリー”スニーカーを作るヘレン・カーカムとは何者か
未来のラグジュアリースニーカーの定番とは何か?
WWD:なぜ廃棄スニーカーからスニーカーを作ろうと思ったのか。
ヘレン・カーカム(以下、カーカム):ノーザンプトン大学で英国の伝統的な靴作りを学び、その後ロイヤル・カレッジ・オブ・アート(Royal College of Art、RCA)で靴の作り方を学び直し、コンセプチュアルなデザインをするようになった。加えて、私は環境に興味があり、常に気にかけている。
RCA在学中にロンドン西部のウェンブリーにあるリサイクルセンターに行ったときのこと。活用できない片足だけのスニーカーの山があり、その時に問題に気付いた。片っぽだけではリユースできない。こうしたスニーカーを活用しようと決めた。そして、素材は繊維などに分解するのではなく、そのまま活用することが重要だと考えた。解体後断片になった靴の由来を示すことが、お客さまが私たちのパーパスを理解するのに役立つから。
WWD:「ヘレン カーカム」のパーパスとは?
カーカム:身に付けるモノの生産工程を重視すること。型にはまらない技法とデザイン、そして作る行為を通して、生産システムをハッキングすること。遊び心と個性、自発的で意識的な創造性、プロセス主導でクラフトを表現するモノ作りを原動力としている。そして、スニーカーの生産工程や製品消費後の廃棄物に対する認識を広め、創造的な解決策を提供すること。