「墓じまい」どうしてますか? 遺された家族に金銭的・肉体的・精神的に負担をかけないお墓とは 多様化する故人の弔い方最新事情
墓石を撤去して供養の方法を改める「墓じまい」。厚労省によると、2022年度に全国で15万件を超え、過去最多となりました。過去10年間で比較すると約2倍の増加です。少子高齢化などを背景に、弔い方、お墓のあり方も変化しています。 【写真で見る】多様化する弔い方「海洋散骨」「樹木葬」「自宅墓」 ■神社が「海洋散骨」 博多湾を航行する船の中で行われていたのは、神社の神職による祭祀。船に同乗していたのは県内に住む3人姉妹で、今年3月に84歳の母を亡くしました。 福岡市西区の姪浜・住吉神社では、「こどもたちに迷惑をかけたくない」「後を任せるものがいない」「この海に眠りたい」などの希望を受け、海洋散骨を行っています。 3人姉妹の次女Aさん「母の地元がもともと長崎で、お墓が遠いのもあって、私たちもなかなか行けない。本人が一番希望していたこともあって海洋散骨を決めました」 海洋散骨は、パウダー状に粉砕した遺骨を環境に配慮した水に溶ける布などに納めて、海に撒く自然葬です。 専門業者が執り行うことが多い海洋散骨ですが、こちらの神社では今年4月から海洋散骨の受付を開始し、すでに40件を超える問い合わせがきているということです。 住吉神社・宮司 菊池友久さん「これからお墓を持つのをどうしたらいいかわからないとか、管理をする人がいない、自分たちの代で『墓じまい』をしないといけないとか・・・もっとお墓離れがこれから進んでいくと思います。これは少子高齢化の中で仕方がないことだと思う」 ■『海におばあちゃんがいる』と思えるよね 3人姉妹の三女Bさん「あっけないなとは思いますが、、やっぱり自分たちが年をとったあとにずっと心配するという懸念があったので、こういう方法も正解かなと思います」 3人姉妹の長女Cさん「おばあちゃんのところにお墓参りに行こうっていう時に、具体的な場所がないということはありますが、大きい目で見ると『海におばあちゃんがいる』と考えられるよねと話して・・・」 住吉神社が行うのは、遺骨の洗浄、粉骨、船舶費用、献花、献酒、散骨証明書、永代供養。遺族は散骨費用と埋葬許可書を用意します。この日行われた「合同散骨プラン」の費用は14万円です。