「墓じまい」どうしてますか? 遺された家族に金銭的・肉体的・精神的に負担をかけないお墓とは 多様化する故人の弔い方最新事情
日本海洋散骨協会によると、会員業者が実施した海洋散骨の件数は、この5年で倍増しています。特に九州は、海で働く人や海になじみのある人が多いことから、海洋散骨の需要が高まっているということです。 ■希望者多い「樹木葬」 福岡県新宮町にある新宮霊園。今、希望者が増えているのが『樹木葬』です。『樹木葬』とは、墓石の代わりに樹木を目印にするお墓の一種で、墓石分の費用が安くおさえられる上、承継者を必要としないのが特徴です。 新宮霊園 本田宏之さん「一般墓を買う方は、今はほとんどいません。5年ほど前から樹木葬のニーズが増えまして、3年前には樹木葬が全体の6割くらいになってきました」 立花山を仰ぎ、玄界灘を一望できる、四季折々の花に囲まれた高台にある樹木葬エリア。継承者不要タイプのお墓で、この霊園の価格は58万円から。 夫婦向けの2人用タイプから、先祖代々納骨できる大きなタイプまであります。 ■「ガーデン墓」や「桜墓」 さらに専属の庭師が毎日花の手入れをする『ガーデン墓』や、桜の下で永久に眠ることができる『桜墓』など、残された家族に負担がかからないお墓が多くなっています。 新宮霊園 本田宏之さん「価値観が多様化してきている時代なので、少子化もありますし、それぞれのニーズにあうお墓作り、お墓選びが必要になってくるのでは」 ■自宅で手元供養 長年、墓石を製造してきた福岡市の山野石材です。 山野石材 一木浩平さん「こちらが樹木葬の石碑になります。数で言うと圧倒的に樹木葬の方が多い。新しくお墓を建てる方が月に数件だとしたら樹木葬が数十件とか」 一般墓の需要が年々減る中で、3年前に新たに売り出したのが手元で供養できる自宅墓『おくぼ』です。 山野石材 一木浩平さん「コロナ禍で外出ができないというところで、『おくぼ』は問い合わせの件数が増えました。今後、暑さもそうですけど、高齢になるとお墓参りが大変になるので、自宅で供養する手段があることは大事かなと思います」