ホンダの元祖ネオクラシック路線、CB・CBX系デザインを受け継いだジェイド【JADE】
ネイキッドバイクブームにおいて、400ccクラスや大排気量クラスではネオクラシック路線というのが各メーカーの戦略であった。しかし、250ccクラスにおいては各メーカーの考え方は異なり、純粋なネオクラシック路線と言えたのはホンダのジェイドだけであった。 【画像】ジェイドのディテールや関連モデルをギャラリーで見る(26枚) 文/Webikeプラス 後藤秀之、取材協力:バイク王つくば絶版車館
各社の戦略が異なった250ccクラスのネイキッドモデル
1989年にカワサキゼファーが巻き起こしたネイキッドバイクブームによって、各メーカーから様々なネオクラシックスタイルのネイキッドバイクが登場した。まず主戦場である400ccクラスに各メーカーはネオクラシックスタイルモデルを投入、続けて大排気量へとラインナップを広げていった。250ccクラスにおいてもレプレカ系の4気筒エンジンを使ったネイキッドモデルが投入されたが、カワサキがバリオス、スズキはバンディット、ヤマハはジールとネオクラシックとは少しズレた印象だったのに対して、ホンダは王道的なネオクラシック路線のジェイドを1991年に投入した。
バイクらしさを求めて行き着いたネオクラシックスタイル
ホンダはこのジェイド発表した資料で、「“オートバイ”という言葉から、誰もがまず思い浮かべる形態イメージを大切にする」、「バイク単体だけではなく、人が乗った時により美しいかたちを追求する」、「時が経つほどに一層好きになれる生命力あふれるデザインとする」という3つのキーワードを基本にそのデザインを構築したと言っている。 ジェイドはスチール製のスタンダードなダブルクレードルタイプのフレームに、CBR250RR系のカムギアトレインエンジンを搭載。ボディデザインはCB系の流れを汲んでおり、いわゆるスタンダードなバイクらしい形をしている。タンクはボトムラインがエンジンの上まで来る昔ながらのデザインで、サイドカバーからテールカウルまでのラインが美しくつながっていく。これはホンダの伝統とも言えるCB750FやCBX400F系統のデザインに通じるものであり、CB1000SFやCB400SFの末弟のようにも見えるのだが、1番最初にこのデザインを採用したのは1991年3月に発表されたジェイドである。ちなみにCB1000SFが発表されたは1991年10月から11月にかけて開催された第29回東京モーターショーであり、CB400SFが市場に投入されたのは1992年4月のことである。