下落続くビットコインが9万4000ドル台、「4カ月ぶりの調整局面」
ビットコインの下落は12月23日も継続し、17日に記録した史上最高値の10万6490ドルを大きく下回る9万4000ドル台に沈んでいる。 このコインの価格は、23日に一時3%近く下げた後、米東部時間午後4時過ぎに1.2%安の9万3900ドル台に回復した。しかし、17日の最高値からは約12%下落しており、4カ月ぶりの調整局面を迎えている。 一方、暗号資産関連の上場企業の株価も23日に下落し、ビットコインの大口保有者であるマイクロストラテジーが9%安、大手取引所のコインベースが4%安、マイニング(採掘)企業のマラソンデジタルが4%安だった。これらの3社の株価はすべて、今月初めの高値から20%以上も下落している。 CoinGeckoによれば、暗号資産全体の時価総額は、16日時点の約3兆9000億ドル(約613兆円)から約5000億ドル(約78兆6000億円)減少した。この市場の約56%を占めるビットコインの時価総額は約1兆9000億ドルとされている。 直近の暗号資産市場の下落は、S&P500が過去1週間で2%下落するなどの市場全体の動きと一致している。この背景には、米連邦準備制度理事会(FRB)が18日の会合で、根強いインフレへの懸念を示し、来年の利下げ見通しをこれまでの4回から2回に引き下げたことが挙げられる。 これは、暗号資産のようなリスクの高い資産にとって悪いニュースであり、投資家は、低リスクの国債に資金を移す傾向を強めている。「金融緩和は、ほぼ常にビットコインにプラスの影響を与えるが、その逆は価格にマイナスの影響を及ぼす」と、日本の暗号資産取引所bitbankのアナリストの長谷川友哉は、23日のEメールのコメントで指摘した。 一方、このような調整は、ビットコインにとって一般的なもので、今年の夏には20%以上の落ち込みを記録し、2021年から2022年にかけては70%以上の下落となっていた。現状のビットコインの価格は、年初来で約113%高で、大統領選以降では約33%高となっている。
Derek Saul