「吉本興業に入るため東大入った」中国からお笑い極めに来た芸人 M-1で「そんなやついるかぁ!」な理由
初めて書いた漫才で
日本語を流暢に操るいぜんさん。来日3カ月で、日本語能力試験の最上位であるN1(幅広い場面で使われる日本語を理解することができるレベル)に合格しました。 「日本語を勉強する留学生同士は、よく五十音を覚えるのも大変だったと言ってるんですけど、私は本当に好きだったから、嵐やさんまさんのおかげかなと思います」 今年のM-1では初めて3回戦に進み、10330組中407組に残りました。ネタの大筋はいぜんさんが書き、ユニットの相方・渡辺ポットさんにツッコミ部分を調整してもらったそうです。 YouTubeに上がっている3回戦の動画には、「いぜんポットとてもいい」「中国語訛りの日本語のはずなのに言葉のキレがすごくて面白い…!」「いぜんポット、なんとか合法滞在して漫才つづけてほしい」といった称賛の声が並びます。 「ほぼ初めてちゃんと自分が書いた漫才で出ました」といぜんさん。 「コメントに感動しすぎて、泣きながらひとつずつ『いいね』を押しました。褒めてくれたコメントには少なくともひとつは『いいね』がついていますが、本人からです(笑)」 3回戦後、番組の収録で会った錦鯉や元和牛の水田信二さんにも「3回戦のネタ見ましたよ」と声をかけられたそうです。
ネタの「ヒント」は日常から
ピンや漫才のネタづくりは、日常会話を参考にしています。 「『私の苗字の〈李〉はすごい普通だなあ』と後輩芸人に話していたとき、『何人ぐらいいるんだろう』と聞かれました。調べてみると、まさか1億人もいて。めっちゃおもしろいなと思ってネタにしました」 ジャッキー・チェンなど、中国にまつわるテーマもネタにします。 「(同じアジアの国である)『日本』と『中国』では、厚切りジェイソンさんの『欧米』と『日本』のような大きな違いはありません。本当に繊細なところが私たちの中国出身の芸人の勝負するところ」といぜんさんは話します。 「日本語も文化もちゃんと理解できないと難しいし、そもそも芸人としてちゃんとできるのかなというのは心配していました」 しかし、今年はクロちゃん(安田大サーカス)とナダルさん(コロコロチキチキペッパーズ)の番組「クロナダル」(テレビ朝日)をはじめ、地上波の番組や芸人のYouTubeチャンネルにも立て続けに出演するなど活動の幅を広げてきました。 物応じせずはっきり伝える姿勢が、先輩芸人からも愛されています。 「今年は急にキャラが見えてきた感じですね(笑)最近はやっと日本楽しいな、東京楽しいなと思っています」