「コスト高いわりに⋯」中国車載電池のSVOLT、ドイツ工場2カ所の建設を中断
中国の車載電池メーカー「蜂巣能源科技(SVOLT)」が、ドイツで進めていた2カ所の工場建設プロジェクトの中断を決定したことが分かった。複数のメディアが報じた。 ザールラント州のモジュール工場と組立工場の建設計画は2020年11月に発表された。設計上の生産能力は24ギガワット時(GWh)で、当初は24年半ばの竣工を予定していたが、工事の遅延などが報じられていた。ブランデンブルク州のバッテリーセル工場の建設計画は22年9月に発表された。年産16GWhを計画し、25年の生産開始を予定していた。 SVOLTの関係者によると、これら2カ所のバッテリー工場への投資額は300億元(約6300億円)に上る。建設中断の主な理由は、同社の財務上の問題だという。 欧州向けに輸出する車載電池には27年以降、製造メーカーや材料、カーボンフットプリント、サプライチェーンなどの要件を記録した「電池パスポート」の実装が求められる。中国の車載電池メーカーによる欧州向け輸出に大きく影響する可能性が高い。これを受け、欧州での現地生産を計画する中国メーカーもあるが、業界関係者によると欧州に生産拠点を建設するコストは高い上、現在のところ欧州市場のニーズは大きくないという。 車載電池業界団体の中国汽車動力電池産業創新聯盟(CABIA)によると、蜂巣能源の24年1~9月の車載電池搭載量は9.97GWhで、中国市場でのシェアは2.9%、中国メーカーで7位だった。 *1元=約21円で計算しています。 (36Kr Japan編集部)