はやぶさ2の状況は? JAXA会見(全文1)想定外の環境にも対処
ロボットが移動しながら探査したのは世界初
1つ目は、小型探査ロボットによる小天体表面の移動探査ですね。ロボットを着陸させる試みは、今までほかの探査機でもありましたが、それに、成功させて、さらに表面でそのロボットたちが移動しながら探査をした。これは世界初のことになります。2番目として、それが、しかも1つではなくて2つ以上、実際には4つのロボットを小惑星表面に展開しております。4つ目はフルの機能が発揮しないということが分かっていたので使い方は変えましたが、移動探査したという意味では、少なくとも3つは小惑星表面を移動しながら探査したということで、この複数探査ロボットの投下、展開ということも世界初になります。 それから3番目が、これはわれわれにとって一番大きいことですね。天体着陸精度、60センチメートル。これは、地球は着陸しても意味がないので、地球以外の天体に対して着陸した精度としては、これは世界最高になるかなというふうに思います。それから4番目としては、人工クレーターの作成と、そのプロセスを詳細観測したという点ですね。これも、もちろん世界初になります。5番目として、2回着陸の話ですね。同一天体の2地点へワンミッションで着陸させることができました。 6番目として、そのうちの2つ目の着陸については地下物質を目指して着陸して、そのとおりアクセスしたということです。ちょっとアクセスという言葉を使っていますが、これは、本当は採取と言いたいところなんですけれども、採ったものを確認するというのは帰ってくるまで分からないという意味で、ここでは少なくとも着陸を実行して、そのとおりできた。で、触ることができましたのでアクセスという言葉で表現しております。 7番目は、これは計画にはなかったものですが、結果としてMINERVA-II2の状態をうまく利用して、また、その前にターゲットマーカーの周回をさせるなどして、最初の物体、かつ、3つですね。複数の小天体周回人工衛星を実現したということです。これ、専門用語ではコンステレーションというんですけども、天体の周りを、複数の物体を周回させる、こういうことに成功できました。 9ページ目、10ページ目はそれらを絵でお示ししたもので、基本的には同じことを書いておりますので、絵でイメージしていただけるとありがたいかなというふうに思います。9ページ、10ページについては、もしご質問があればあとでお受けいたします。