片づけのプロが「もったいないからリサイクル」をおすすめしない理由
「まだ使えるものをそのまま捨てるのはもったいない」 そんな気持ちから、リサイクルに出せば誰かの役に立つかもしれないと思う人は多いが、片づけのプロはおすすめしないという。その理由とは? 片づけはモノを減らすだけではなく、自分の価値観や暮らしを見直すチャンスでもある。 そこで、登録者数16万人の人気YouTube「イーブイ片付けチャンネル」の運営者であり、書籍『1万軒以上片づけたプロが伝えたい 捨てるコツ』の著者・二見文直氏に、「もったいないから捨てられない」人が罪悪感なくモノを手放せるようになるコツを伺った。(構成/ダイヤモンド社・和田史子) ● リサイクルショップで「お値段はつきません」と言われたら… 捨てるのが苦手な方から、 「もったいないからリサイクルショップに出します」 と言われることがあります。 正直、僕はリサイクルショップに買い取りに出したり、フリマアプリを使って出品したりすることは、あまりおすすめしていません。 たしかに、昔はゲームソフト、DVDなどは、それなりの値段がついていましたし、買い取りができないものでも、無料で引き取ってくれるところもありました。しかし今は「0円でも買い取りません」というお店も増えています。 引き取ってもらえず持って帰らないとダメ、これでは二度手間になってしまうと僕たちのところにSOSを出す依頼者さんも、1人や2人ではありません。 「車でリサイクルショップを回っていたんですが、引き取ってくれるところがなくて処分に困っています!」 このような連絡をくれた方に「何を引き取ってもらえなかったのですか?」と聞くと、以下のアイテムがよく出てきます。 ・ベビーベッド ・バウンサー ・安いチャイルドシート ・健康器具 ・家電製品(箱入りでも引き取ってもらえないことも) 考えてみてください。チャイルドシートはより安全で快適な新製品が出ていますし、健康器具や家電も安くて高機能なものや省エネ製品が次々と発売されています。みなさんも新しいものを購入したいでしょう。 また、ベビーベッドやバウンサーは使う時期が限られているので、レンタルを利用する方も増えています。レンタルの場合、引き取りにきてもらえるところもあります。 実際に手放そうと思っているモノをメルカリなどで検索してみてください。 想像以上に安い値段で取引されていて、似たようなモノが多数出品されていることに気づくでしょう。手間の割に値段がつかない・売れないのだとわかると納得がいき、あっさり手放せるようになります。 ● 「タダで手放す」ではなく「困っている人に届けられる」と考える この「納得がいく」というプロセスは、捨てるのが苦手な人には大事かもしれません。 「買い取れません」とはっきり言われたことで、「自分がいかに価値のないモノに執着していたのかがわかった」と、突然捨てるスイッチが入ったという依頼者さんもいます。 もしリサイクルショップで、「値段がつかなかったけれど引き取ることができる」と言われたら、タダなのはイヤだと持ち帰らずに、「困っている人に届けることができるのはありがたいこと」と、喜んで引き取ってもらいましょう。 あるとき、子どものおもちゃがどうしても捨てられないという若いママさんがいました。 リサイクルショップに持っていったところ、「こちらはお値段がつきません」と買い取りを断られてしまったのだそうです。 一瞬がっかりして、だったら持ち帰ろうかと思ったそうですが、自分のように若いママで子どものおもちゃを買うのに困っている人がいるかも。そういう人たちに「安い値段でおもちゃを届けられるならうれしい」と思い直し、すべて引き取ってもらったそうです。 このように、リサイクルショップで値段がつかなかったときは、「困っている人に届ける」と考えて、喜んで引き取ってもらいましょう。
二見文直