スバルが「水平対向エンジン」の開発を加速!EVと並行してカーボンニュートラル燃料で未来へ
そして、スバルが公開したのが、次世代のハイブリッドシステムだ。現行のe-BOXERは、モーターがエンジンをアシストするパラレルハイブリッドで、燃費についてユーザーから厳しい声もあるのが実状だ。 新たに開発したのは、トヨタハイブリッドシステム(THS)の部品を応用してスバルが独自に設計した、シリーズパラレルハイブリッドである。 トヨタでは現行THSを4輪駆動にする場合、後輪はモーター駆動としているが、スバルの新型ハイブリッドでは、ドライブシャフトで駆動力を後輪に直接伝えるフルタイム4WD(スバル流にいうAWD)を採用する。
「ドライブシャフトがあることで、スバルらしい走りが実現できることを改めて感じている」と藤貫氏はスバル車の特性を強調。 この次世代ハイブリッドシステム用のトランスアクスルは、汎用エンジンや車載エンジンを生産していた埼玉県の北本工場をリニューアルして生産するという。 藤貫氏は「スバルはこれからも内燃機関を続けていく」として「その未来を創るために新たな技術開発・人材育成が不可欠だ」と新たなる取り組みに対する意気込みを見せる。
そのうえで、内燃機関を継続するには、カーボンニュートラル燃料の取り組みを強化する必要があり、その舞台として国内最大級の耐久レース「スーパー耐久」への参戦の重要性を改めて示した。 スバルは現在、自動車メーカー各社の次世代車開発用に設定されているST-Qクラスにカーボンニュートラル燃料を使う「BRZ」で参戦しており、今年でフル参戦の3シーズン目となる。 そのほか、STIモデルを想定した量産型のスポーティエンジンについては、今回公開したシリーズハイブリッド方式をベースとするのか、またエンジン部分と電動化部分のそれぞれでどのようにパワーアップするのかなど、「今まさに、社内で検討を始めた段階だ」と話した。
■あえて難しいターボに挑戦 トヨタ/マツダ/スバルの共同会見の前週末、スーパー耐久シリーズの目玉である「富士SUPER TEC 24時間レース」が静岡県の富士スピードウェイで開催された。 先に述べたように、スバルはこれまでカーボンニュートラル燃料の「BRZ」で参戦してきたが、今シーズン中盤のオートポリス戦からは、4輪駆動のセダン「WRX S4」をベースとした新型マシンに切り替えるという。搭載エンジンは、2.4リッターのターボだ。