28日朝、身柄を検察に送られた佐藤俊祐容疑者（27）。 2023年、仲間とともに60代の女性から特殊詐欺で現金200万円をだまし取った疑いが持たれています。 警視庁によれば、福岡県のバーで働いていた佐藤容疑者は、客から「いい仕事があるから」と紹介を受けて上京。 ところがその仕事は闇バイトでした。 佐藤容疑者はSNSで面識のない指示役から荷物を受け取るよう命じられます。 そして、東京都内の内覧用のアパートの部屋にキーボックスから鍵を出して侵入。 部屋に宅配された200万円を受け取ったということです。 闇バイトで悪用されたキーボックス。 専門家の元埼玉県警捜査一課・佐々木成三さんは「物を受け取る仕事も闇バイトで多く発生している中で、犯罪の温床に使われることは警察として危惧していたと思う」と指摘します。 キーボックスを巡っては、2024年6月、高層マンションが立ち並ぶ東京・中央区の晴海地区であちらこちらに取り付けられていました。 取材から5カ月が経過し、新たな展開がありました。 警視庁は27日、晴海の路上の鉄柵にキーボックス1個を無断で設置した疑いで不動産会社社長の52歳の男を書類送検。 押収されたキーボックスには、東京オリンピック・パラリンピックの選手村を転用した分譲用マンション晴海フラッグの部屋の鍵が入っていました。 調べに対し社長は「不動産の内覧で来たお客さんをスムーズに案内したかった」と述べています。 社長によると不動産業界内では、内覧の部屋の近くにキーボックスを取り付けることは以前から行われていたといいます。 晴海地区のキーボックスはどうなっているのか。 イット!は6月に取材した場所を再び訪れました。 すると、今も多くのキーボックスが無断で設置されているのが確認できました。 また、取り外しを求める警告文が貼られているものもありました。 元埼玉県警捜査一課の佐々木さんは、「不動産業者にとっては、内覧するための部屋の鍵を置いていた。警察としては、部屋をいつでも開けられる状態にしておくことは犯罪の温床になるという考え。ぜひ不動産業者の方も、安易にキーボックスを外に取り付けることで暗証番号が分かれば、部屋が犯罪の温床になり得ることを認識してほしい」と警鐘を鳴らしています。