「木内監督に恩返し」常総学院、初戦へ闘志あらわ 選抜高校野球
阪神甲子園球場で3月19日に開幕する第93回選抜高校野球大会は23日、出場32校の主将をオンラインでつないで組み合わせ抽選会が行われた。各主将がオンラインの画面越しにカードを選ぶ形でくじを引き、各校とも初戦の相手が決まった。憧れの夢舞台に向け、選手たちは改めて闘志をあらわにしていた。 【写真】センバツ応援ポスターに小泉のんさん 5年ぶり10回目の出場となる常総学院(茨城)。田辺広大主将(2年)が初戦の相手に敦賀気比(福井)を引き当てると、常総学院野球場で中継を見守っていた部員たちは、気を引き締めるように声を上げた。 名将として知られた木内幸男さんの指揮の下、過去に春夏の甲子園で計2度優勝。プロ野球選手を経て昨夏就任した島田直也監督も1987年に同校からセンバツに出場している。当時チームを率いた木内さんは昨秋亡くなり、遺志を受け継ぐ形で監督として初めて甲子園に挑む。島田監督は「木内監督へのプレゼントとして何が何でも勝ちたい」、田辺主将は「ここまで島田監督に連れてきてもらった。一戦必勝で恩返ししたい」と意気込んだ。 59年の創部以来センバツ初出場となる専大松戸(千葉)は、初戦で中京大中京(愛知)との対戦が決まった。石井詠己(えいき)主将(2年)は「対戦校が決まり実感が湧いてきた。胸を借りるぐらいの気持ちで頑張りたい」と力を込めた。 中京大中京は春夏計11回優勝の強豪で、抽選会の様子を見守った専大松戸の選手からは「おー」と声が上がった。抽選会終了後、持丸修一監督は「選手には失敗を恐れず、挑戦者のつもりでやってもらいたい」と語った。 同校は夏の甲子園には2015年に一度出場しているが、初戦で花巻東(岩手)に敗れている。まずはセンバツで、念願の甲子園初勝利を目指す。 6年ぶり4回目出場の東海大菅生(東京)は、初戦で聖カタリナ学園(愛媛)と対戦する。夏は17年に4強入りしたが、春の過去3回はいずれも初戦で敗れており、栄塁唯(るい)主将(2年)は「相手はチーム力がすごくいいと聞いている。一戦必勝で日本一を取りたい」と意気込んだ。 「対戦したい相手だった」と話したのは石川県出身のエース本田峻也投手(2年)。聖カタリナ学園の越智良平監督は同県の小松高野球部の監督を務めたことがあり、本田投手の9歳上の兄はそのときの部員だったことから、何度も試合を見に行ったという。「ちょっと緊張するけど、向こうが100%の準備をするなら、自分たちは120%で臨む」と語った。【長屋美乃里、長沼辰哉、林田奈々】 ◇全31試合を動画中継 公式サイト「センバツLIVE!」では、大会期間中、全31試合を中継します(https://mainichi.jp/koshien/senbatsu/2021)。また、「スポーツナビ」(https://baseball.yahoo.co.jp/senbatsu/)でも展開します。