歌舞伎座史上初めて講談師が1カ月出演!4月公演で尾上松緑主演の新作歌舞伎「無筆の出世」上演決定
松竹は6日、東京・東銀座の歌舞伎座で開催する4月公演で尾上松緑(49)が主演する新作歌舞伎「無筆の出世(むひつのしゅっせ)」を上演すると発表した。人間国宝の講談師・神田松鯉(82)の講談が原作で、松鯉の舞台出演も決定。講談師が約1カ月間にわたり歌舞伎座に出演するのは史上初となる。
「無筆の出世」は松鯉が自身で速記本から起こした講談で、奉公人の治助が酒癖の悪い主人から受けたあだを恩で返すという心温まる感動作。これまで松緑主演で反響を呼んだ新作歌舞伎「荒川十太夫」「俵星玄蕃」の製作スタッフが再結集し、講談と歌舞伎が融合した新作が誕生する。 松緑は「これまで講談からの移植では古典歌舞伎から転用しても違和感の無いいろいろな挑戦をして参りましたが、今回もその気持ちを忘れずに〝擬古典〟として違和感の無い作品に仕上げつつ、これまでに無かった演出等も皆とアイデアを出し合っている所です。講談として既に名作で、その世界観を壊す事無く、歌舞伎座の舞台で上演しておかしくない作品に作っていきたい」と意気込みを語った。 松鯉は「これほどうれしい事はない。四十数年前に古い速記本から起こした愛着のある作品である。加えて今回は小生自身も講釈師として舞台に上げていただく事となり、取り上げて下さった主演の尾上松緑丈を始め皆さまの期待とご厚意に背かぬよう懸命に勤めさせていただきます」とコメントした。
中日スポーツ