自宅に放火し母親への殺人未遂に問われた男 懲役7年の実刑判決 富山地裁
KNB北日本放送
自宅に放火して母親を殺そうとしたとして、現住建造物等放火と殺人未遂の罪に問われた男の裁判員裁判で、富山地方裁判所はきょう、懲役7年の実刑判決を言い渡しました。 判決によりますと、無職の上田明治被告(56)は2021年9月、富山市上二杉にある当時70代の母親がいた自宅の台所の段ボールなどに火を付けて、家を全焼させました。 母親は逃げ出して無事でした。 裁判の争点は、火災原因が放火によるものかと、殺人未遂罪が成立するかの2点でした。 上田被告は初公判で「私は火をつけておりません」と起訴内容を否認し、弁護側は、火災の原因を漏電などと主張していました。 きょうの判決で富山地裁の梅澤利昭裁判長は、事件後に上田被告が自白した犯行の内容と、専門家が検証した現場の状況が一致することなどから、火災の原因は上田被告の放火によるものと認定しました。 また、殺意については、母親が死んでも構わないと考えた未必的なものにとどまるとしたうえで、殺人未遂罪が成立すると判断しました。 そのうえで、上田被告が不合理な弁解をして罪と向き合っていないことも考慮したとして、懲役7年の実刑判決を言い渡しました。