コルサで小さな自動車博物館を巡る(2) 軽快感が強い非ハイブリッド 英国車の歴史に触れる旅
英国車の錚々たる歴史 実際に運転できる展示車も
ここには筆者の友人の1人、リチャード・アッシャー氏が創設した、グレート・ブリティッシュ・カー・ジャーニー博物館がある。自動車ガラスの修理サービスで得た財産をもとに、2015年5月にオープンした場所だ。 展示車両は150台近くあり、その大半を彼が所有している。相当に価値があるクルマも含めて。 これまでの3か所と比較すると、ここはしっかり「博物館」している。訪問者には、ヘッドセット付きの音声ガイド用タブレットが配られる。英国車の錚々たる歴史が、9つのチャプターで紹介されている。 展示されているクルマの多くは素晴らしい。しかし、一部にはそうではないモデルもある。「こんな酷いクルマを作った歴史を持つ国は、英国だけかもしれませんね」。ハリソンが苦笑いする。まあ、筆者も強くは否定しない。 とはいえ、英国車に対する自負を抱ける。ブリストルにジャガー、ロータス、TVRなど、展示はかなりの見応えがある。今でも、英国が優れたクルマを作り続けていることを、再確認させてもらった。ゆっくり見学すれば、半日以上は過ごせるだろう。 面白いと思ったのが、「父のクルマを運転してみる」という体験。博物館が収蔵する50台以上のクラシックカーを、実際に借りて運転できるそうだ。自分の父が本当は乗っていなくても、興味を持った1台へ試乗することもできる。 なんと充実した2日間だったのだろう。コルサはやっぱり良いクルマだった。次の土曜日が来たら、早起きして、もう1度どこかの自動車博物館を訪れたい。プライベートで。
ヴォグゾール(オペル)・コルサ 1.2ターボ・ハイブリッド 100PS GS(英国仕様)のスペック
英国価格:2万5280ポンド(約485万円) 全長:4060mm 全幅:1765mm 全高:1433mm 最高速度:186km/h 0-100km/h加速:10.7秒 燃費:22.2km/L CO2排出量:104g/km 車両重量:1267kg パワートレイン:直列3気筒1199cc ターボチャージャー+ISG 使用燃料:ガソリン 最高出力:100ps/5500rpm 最大トルク:20.8kg-m/1750rpm ギアボックス:6速デュアルクラッチ・オートマティック(前輪駆動)
マット・プライヤー(執筆) ジャック・ハリソン(撮影) 中嶋健治(翻訳)