維新懸案の全国政党化 吉村新代表が路線修正 参院選の「野党予備選」には異論噴出
日本維新の会新代表に就いた吉村洋文氏は1日の臨時党大会後の記者会見で、懸案の「全国政党化」を巡り、選挙で議員らを誕生させる「戦略的地域」を選定して候補を擁立すべきだと主張、馬場伸幸前代表が進めた全国での党勢拡大路線を修正する考えを示した。来夏の参院選では与党を過半数割れに追い込むため改選1人区で野党候補を一本化する「予備選」実施を目指すが、党内には異論もある。 【表でみる】吉村新代表が代表選で示した選挙戦略 吉村氏は会見で「戦略的地域」の狙いについて「全国おしなべて擁立するのは(党の)体力や戦略を考えても違う。多極分散型国家の拠点となるエリアを強化すべきだ」と説明した。 背景には、代表選で維新の存在意義の一つとして掲げた「道州制実現」がある。代表選では「道州制を掲げている以上、(各州の)中心都市(の選挙区)では、できるだけ候補を立てて勝負していくべきだ」と訴えた。 参院選に向けては代表選期間中、改選1人区で与野党の一騎打ちに持ち込むべきだと主張。野党候補を一本化するため、参院選前の「予備選」実施に意欲を示した。 政党間協議による候補者調整を「野合談合」と批判する吉村氏は会見で「(野党同士が)1人区でつぶし合うよりは『準決勝』をすべきだ。公正なルールをつくれるか、簡単ではないが協議を持ち掛けていきたい」と述べた。 ただ代表選では競合相手から予備選に否定的な声が出た。金村龍那衆院議員は「予備選をやること自体が票を固める行為で、野合にみられる」と指摘。松沢成文参院議員も「どういうルールを構想しているのか。ルールを示さないと全く実現の可能性がない」とした。