【MotoGP】バスティアニーニ、怪我抜きでも初年度はキツかった? 「限界までプッシュするのが難しかったし、タイトルは厳しかっただろう」
ドゥカティのエネア・バスティアニーニは2023年シーズンに怪我で苦しめられた。しかし彼はこの怪我が無かったとしても、タイトル争いに加わることはなかったと考えている。 【ギャラリー】新シーズンに向けて本格始動! MotoGPバレンシアテスト バスティアニーニはMotoGP参戦2年目となる2022年シーズンに、開幕戦カタールGPで勝利すると、“覚醒”と言えるような躍進を見せてシーズン3勝とランキング3位を記録。対抗馬と見られていたホルヘ・マルティン(プラマック)を抜いてグレシーニからドゥカティのファクトリーチームへと昇格を果たした。 しかし2023年にバスティアニーニは期待されたような結果を残せなかった。そこには開幕戦でクラッシュした際に肩甲骨を骨折してしまい、長期欠場を強いられたことも関係しており、2023年型マシンへの適応のために時間がかかってしまった部分もある。 後半戦には2度目の怪我で戦線を離脱しなくてはならなかったが、それでも最終的にバスティアニーニは第18戦マレーシアGPで復活を告げる勝利を達成。2024年に向けて期待の持てる幕引きとなった。 「精神的にも肉体的にも厳しいシーズンだったよ。最初の怪我の後に、すぐにコースへ戻るのは難しい、無理かもしれないということに気がついた。その瞬間、タイトルを勝ち取る可能性もゼロだと理解したんだ」 バスティアニーニはSpeedweekに対し2023年シーズンをそう振り返った。 「とても奇妙で、復帰してから3~4戦は肩の調子が良くなかった。そして大丈夫だと思ったら、また怪我をしてしまった。精神面はかなり厳しかったよ。常に集中しポジティブであろうとしているけど、大変だった。でも僕はカムバックすることができた。勝利を挙げられたのは、僕ら全員にとって非常に嬉しいことだ」 またバスティアニーニは仮に怪我が無かったとしても、2023年シーズンにタイトル争いへと加わっていくことは難しかっただろうと考えている。2023年型マシンが、彼が強さを発揮していた2022年型マシンから大きく変化していただめだ。 「2022年のバイクは僕のライディングスタイルにも合っていてとても良かったからこそ、苦しかったんだと思う。2023年のバイクでは、限界までプッシュすることがより難しかった」 「僕の強みのひとつでもあったコーナーエントリーが、このバイクでは理解するのが難しかったんだ。でも最終的にはうまくやることができた」 「マレーシアとカタールでは、理解が進んでいたから僕に競争力があったんだ。チームは僕のことをより理解してくれていた。ただそうだね……仮に怪我がなかったとしても、タイトルを争うのは難しかっただろう」
Lorenza D'Adderio