【試乗】NMAXは快適な乗り心地とスポーティな走りが高次元でバランス!
扱いやすくて快適。だが、スポーティな走りが本分
前後13インチホイールは直進安定性を発揮しつつ、前後タイヤの接地感も分かりやすい。ハンドリングにクセもなく、車体の倒し込みもスムーズに行なえる。センタートンネルがあることでくるぶしで車体をホールドしやすく、車体との一体感もあって気持ちよくコーナリングができた。 NMAXはφ60.5mmのメインパイプにφ45mmのダウンチューブと補強材を追加したフレームを持ち、そのフレーム形状からセンタートンネルを採用している。このセンタートンネルは車体のホールドに使えるだけではなく、燃料タンクを車体中央に搭載して重量マスの集中化にも貢献し、取りまわし時に軽さを感じさせてくれる。車体全体の剛性も確保しているので前後サスの取り付け部分もしっかりしていて、サスのストロークもスムーズになり、正確なハンドル操作も行なえる。車体剛性が高いのでライダーの居住スペースも広くとれ、自由度の高いライディングポジションにもなっている。 センタートンネルはフラットフロアよりも乗降しにくいデメリットがあるけれど、リラックスしたライディングフォームでのクルージングも、積極的なマシンコントロールでスポーツライディングができるのもNMAXの大きな特徴になっている。便利で快適なコミューターと、スポーツ走行を楽しめるスクーターを1台で両立しているのがNMAXで、MAXシリーズらしさが軽量コンパクトな車体に凝縮していると思った。高速道路を使用しないと決めているなら、NMAXの軽い取りまわしとスムーズな走り、充実した装備に高い満足感が得られるはずだ。
NMAX(2023)主要諸元
・全長×全幅×全高:1935×740×1160mm ・ホイールベース:1340mm ・シート高:765mm ・車重:131kg ・エンジン:水冷4ストロークSOHC4バルブ単気筒124cc ・最高出力:12PS/8000rpm ・最大トルク:1.1kgf・m/6000rpm ・燃料タンク容量:7.1L ・変速機:Vベルト式無段/オートマチック ・ブレーキ:F=ディスク、R=ディスク ・タイヤ:F=110/70-13、R=130/70-13 ・価格:37万9500円
小川浩康